新社会人のみなさん、新たなる門出おめでとうございます。
これからの社会人人生に対して期待と不安を胸の内に膨らませていることと思いますが、ちょっとだけ社会人の先輩である私から一つだけお勧めしておきたいことがあります。
それは、生命保険に契約する代わりに証券口座(つみたてNISA)を開設しましょう、ということです。
なぜなら、この選択の差が将来云千万円から云億円の差となって返ってくる可能性が高いからです。
本記事ではその理由を説明します。
生命保険は未婚者には不要
社会人たるもの、保険に入らなきゃとお考えの人も多いでしょう。
大企業であればグループ保険に入れるために、保険への加入を斡旋する教育が行われます。
また、世の中への理解がまだまだ浅い新社会人は、保険業界の格好の餌食となります。
従って、綺麗なおねぇさんによる保険契約の斡旋は新社会人がターゲットとなります。
とりあえず入っておくか、という気持ちで契約したら、その後は特に保険料を気にしない日々が続きます。
これによる代償は大きく、特に生命保険は人生で二番目の買い物と言われております。
具体的には、半ば無意識的に生命保険を契約すると、生涯にわたり数千万円を保険会社に貢ぐことになります。
独身であれば生命保険は基本的に不要ですし、日本は社会保険が充実しており、高額療養費制度などといったセーフティネットが盤石であるため、医療保険ですら無くても大丈夫です。
保険のビジネスモデルの構図と、それが不要である理由の詳細については以下の記事をご覧ください。
日本の社会保障制度は若者ほど負担増
社会人になりたての方々はこれまでの教育の中で口酸っぱく言われ続けてきたと思いますが、少子高齢化が極度に進んだ日本では、社会保障費の負担は若者ほど大きいです。
年金は受給タイミングを後ろ倒しにされてきており、受給額も減りはしても今後増えていくことは無いでしょう。
少ない労働現役世代で多くの高齢者を支えていく必要があり、その負担がどんどん増えていっております。
それでいて、額面上の年収は微増こそあれど、手取り収入は減少の一途を辿っております。
具体的には、2003年には額面(年収)700万円の人の手取り額は587万円であったのが、2017年には537万円となっており、手取り額は50万円も減額されております。
ただでさえ少ない若者の給料から社会保障費の負担額が増えており、更に消費税は10%に増税されようとしております。
可処分所得が今後益々減っていき、70歳以降まで働くことが当たり前となりつつある社会情勢では、資産形成や老後資産などを自分で作り、自分で守る必要があります。
20代である今のうちから始めればセルフベーシックインカムを自力で構築することが可能であり、その結果年金に頼らずに経済的な老後の不安を無くすことができるのです。
トマ・ピケティが示した経済格差は広がり続けるという事実
我々が生きる資本主義社会では、隠しきれないほどの格差が存在しております。
何故なら、資本主義とは富める者が益々富むような社会システムだからです。
2010年代初頭に、トマ・ピケティというフランスの経済学者が膨大な資料を用いることでこのことを示しました。名前を聞いたことがある方も多いでしょう。
そこで示された資本主義の縮図は以下となります。
ここで、Rとは資本収益率のことであり、具体的には投資によるリターンを表しております。
一方でGとは経済成長率のことです。これは、誤解を恐れずに平たく言うと労働者の賃金の増加率にも相当します。
従って、ピケティの不等式「R>G」が示すことは、資本家が投資により得るリターン(年利)の大きさRは、労働者が労働力を提供することにより得る収入の増加率Gよりも大きいということです。
つまり、格差は年を経るに従いどんどん助長されていくということです!
これが、有史以来基本的にどの時代、どの国であっても普遍的になりたってきたということがわかりました。
それでは、我々はこの格差が広がるさまを指をくわえて見ているしかないのでしょうか。
答えは、半分YESで半分NOです。
格差の増幅は誰にも止められないでしょう。従って、この傾向は見守るほかありません。
しかし、資本収益率Rの恩恵を得ることは、我々一般人にもできます。しかも、始めるのが早ければ早いほど、リターンは倍々ゲームに膨らんでいきます。複利の力が働くからです。
それでは、どうやれば資本収益率Rを獲得できるのでしょう?
そのやり方の一つが、証券口座を開設してインデックス投信やETFを購入することなのです。
ピケティのR>Gが示す、米国株式市場への投資が最適解の一つとなり得る理由については以下の記事をご確認ください。
証券口座開設は経済や世界の仕組みを理解するきっかけとなる
証券口座開設を行うことは、世界経済界という大海原への門出でもあります。
昨今のネット証券の利便性は凄まじく、世界中の株式や債券といった投資対象に安い手数料でワンクリックでアクセス・購入することができます。
明らかに時代が変わりました。テクノロジーの発展とともに、賢い人が富裕層になりやすいような世の中にどんどん変わってきております。
証券口座を開設することで、様々な銘柄の情報収集を行ったり、実際に売買することで一喜一憂することを通じて、金融リテラシーだけでなく経済はおろか国際情勢や世の中の仕組みにまで理解の対象が広がります。
失敗してわかることもありますが、本ブログではなるべく失敗を避けるために個別株ではなくインデックス投資を行うことを推奨しておりますがね。。
ここで、口座開設するべき証券会社は二社に絞られます。
楽天証券か、SBI証券です。
どちらも投資家保護を念頭に置いた充実したサービスを提供しておりますので、好みの会社を選択すればOKです。
以下の記事にそれぞれの会社の開設方法を紹介しておりますが、今だったら楽天証券の方がポイント等の還元率が高いから有利かなぁとは思います。
つみたてNISAは年間40万円非課税で長期的に投資可能
まず一番最初にやるべきことは、口座開設と同時につみたてNISAの口座も開設することです。
さらに、楽天証券であれば楽天銀行を、SBI証券であればSBIネット銀行を併せて開設しておくと、色々と便利でお得です。
つみたてNISAは、金融庁が全力で国民を豊かにしようとして取り組んでいる税制優遇投資サービスです。投資対象銘柄は金融庁が厳選した銘柄のみであり、国のお墨付きが得られたものであるため世の中にあふれる情弱をだますために作られた怪しい商品は一切含まれておりません。
つみたてNISAの詳しい利点については以下をご確認ください。
つみたてNISA口座が開設出来たら、年間いくら積み立てるかを決めましょう。
新社会人であっても、極端に薄給であったり借金等が無い限りはつみたてNISA限度額の年間40万円を目標にすることをお勧めします。
買うべき銘柄は、以下三つのどれかでよいでしょう。
これらは上から順に、米国株式市場(S&P500)、日本を除く先進国株式市場、世界中の株式市場への分散投資を一括で行える投資信託です。
本ブログでは過去200年にわたる圧倒的な米国株式市場のパフォーマンスは今後も続くと考えてS&P500を推奨しておりますが、米国凋落のリスクを心配する方は先進国株式やオールカントリーでもよいと思います。
年間50万円を作り出す節約術については以下の記事を参考にしてください。
長時間に及ぶ複利の力の破壊力
なぜ、新社会人に株式インデックス投資をお勧めしているか、これは複利の力は時間が長ければ長いほどえげつないほどの威力を発揮するからに他なりません。
投資で成功している他のブログを書いている人たちも口を揃えて言うであろうことは、「もっと早く株式投資の価値を知って投資しておけば良かった」です。
かく言うわたしもそう思います。大学院卒かつ一浪したため社会人デビューは25歳と遅めではありましたが、インデックス投資を知ったのは27歳、実際にインデックス投資などを始めたのはアラサーになってからでした。
現在それなりの資産はありますが、25歳から投資しておけば今頃は・・・などとよく思います。
新社会人、あるいは20代前半でこの記事をお読みの方は、我々が無知により逃してきたそのチャンスを簡単に掴むことが可能なのです。こんなにも羨ましいことはそうそうありません。
複利の効果の破壊力は、元本がいくらであれ一定割合ずつ増殖し続けるという点にあります。
例えば、米国株式市場の200年の平均実質リターン(インフレ考慮)は6.7%なのですが、仮に年利6%だとするとちょうど12年で資産は二倍になります。
72の法則というものがありまして、72を年利X%で割った値が、2倍になるまでの期間(年)となります。
今の例の場合は72/6%=12年ですね!
年利6%なら、100万円を投資すれば12年後に200万円ですし、1000万円を投資すれば12年後に2000万円です。24年ならさらにその倍、元本に対しては4倍です!
つまり、若年層のうちに多くの資金を投資した人が勝利を手にするゲームであるということが資本主義の一面なのです。
複利の力を考えると、年40万円のインデックス投資信託への積立を始めて20年後には、きっとそこそこの資産が形成されているでしょうし、30年後には3千万円以上の資産を持つアッパーマス層の仲間入りを果たしている確率が高いことを、歴史が示しております。(あくまで過去の結果がそうであるのであり、未来もそうなる保証はありませんが。)
まとめ
ここまで読んでいただいた方に、今一度問います。
病気や死亡リスクに備えて保険に加入しますか?それとも、証券口座を開いて積立投資を行いますか?
資本主義の本質に早い段階で気づき、国の社会保障制度がどうであれ経済的に独立することで自由を手に入れ、その自由の剣を用いて自由な発想で世の中に大きな価値を提供する人達が増えることを期待します。
わたしもその一員になれるように鋭意努力します。
社会システムに縛られない経済的自由を目指し、共に切磋琢磨しましょう!
賢くお金を増やすための金融リテラシーを高めるために読むべき本は以下↓
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