2018年の世論調査によると、金融資産を保有していない貯金ゼロの家庭は、二人以上の世帯では22.7%、一人世帯では38.6%だそうです。
つまり、世の中の約3割の世帯は預貯金等の金融資産が無いということになります。
一方で、二人以上世帯の平均保有金融資産は1151万円となっております。
格差社会をよく表しているデータだと思いますが、なぜこのような大きな差が生まれるのでしょうか?その理由の一つには、入ってきた分だけお金を使ってしまう浪費体質であるか、貯金体質であるかにあります。
もちろん金融資産が無い人の中には、経済環境的にどんなに切り詰めても貯金など不可能だという方もいらっしゃると思いますが、そうでない場合、具体的には浪費癖があると自覚している人の場合には、簡単に貯蓄体質に変わる方法があります。
それは、気合いと根性で100万円を貯めることです。
そして、今現在貯金が無い人が100万円を貯められたら、間違いなく経済的な人生は圧倒的に良い方向へと変わります。
といってもにわかには信じられないと思うので、その理由を説明します。
人間は習慣でできている生き物
人間の一日の思考数をご存知でしょうか?
ここで思考数とは、認知・考慮・判断等の思考を行った回数のことで、例えば「お腹すいたなぁ」とか「何か部屋が暑いなぁ」という思考も一回とカウントします。
ある研究によると、人間は一日に六万回以上も思考しているようです。
では、そのうちどの程度の思考を意識的に行っているのでしょうか?
答えは、約5%です。何故なら、今日行った思考のうち昨日と同じ思考が占める割合は95%だからです。ちょっと悲しくなりますね。。
つまり、95%の思考は無意識に行われております。ちなみに、思考の約八割は残念ながらネガティブな思考であるようであり、これを如何にポジティブに変えられるかが人生の分水嶺だとよく言われます。
では、圧倒的大多数である無意識な思考は何によって生まれているのでしょうか?無意識な思考の正体、それは習慣に基づく脳内(認知機能)の反応です。
つまり、習慣を変えれば外界(もしくは内面)からの刺激に対する反応が変わり、その産物である無意識的思考が変わり、それに伴って行動や発言が変わり、結果として人生(生き方)が変わるのです。
従って、貯金体質を身に着けるには、意識的(強制的)にそのような行動を取る脳内回路を構築すればよく、そのためには気合で節約や収入アップの努力を習慣化すれば良いということになります。
習慣を変えるには二か月以上かかる
それでは新しい習慣を身に着けるにはどの程度の期間継続すればよいのでしょうか?
ひと昔前までは、三週間(21日間)という意見が主流でした。
しかし、最近の研究では66日間、つまり二カ月以上かかると言われております。
従って、もしこの主張が正しいのであれば、意識的に浪費癖という悪癖を断ち、節制倹約に勤しみ、収入アップのための努力を三か月続ければ新しい習慣(行動)を無意識化に叩き込む(インストールする)ことができます。
ただし、21日だと言われていたものが66日と大幅に変わったりするような研究対象ですから、三か月で十分であるかどうか定かなことは言えません。
しかし、何かを意識的に行うにはそれを数値に落とし込むことが重要です。
目標は数値化せよとよく言われますよね。
そこで提案する数値目標が、100万円貯金です!
人によって経済状況(主に収入)が異なるため100万円を貯めるのにどのぐらいかかるかは異なりますが、貯金ゼロの人が100万円を貯めようとしたら最低でも半年、一般的には1年以上はかかるのではないでしょうか?
習慣化に必要な日数が21日か66日かそれより大きいかはわかりませんが、半年から一年も続ければ、その行動・思考パターンは少なからず無意識化に落とし込まれており、習慣化されたと言っていいでしょう。
これが、貯金体質となるために強制的に100万円を貯めるのが良いと主張する理由です。
なお、収入が多い人や、すでに多少の貯金はあるという人は、数値目標を200万円などに上方修正してください。逆に借金がある方は返済額を設定してください。
ポイントは、頑張れば1年間で貯められそうな額です。
貯金習慣を身に着ければ歯車は一気に回りだす
普通の収入を得ている人が貯金できない理由は浪費癖にあります。
そして、人間は生活レベルを上げるのは簡単ですが下げるのは大変難しいです。
この浪費癖を断ち、強制的に生活レベルを下げて貯金体質となった暁には、100万円だった貯金が200万円になり、500万円になり、1000万円になるのは時間の問題です。
意識的に下げた生活レベルの思考・行動習慣は無意識化に落とし込まれており、生活レベルを上げてこれまでの不断の努力を水泡に帰すようなことは無意識が反発するため、油断をしない限り生活レベルはあがりません。お金が入ってきただけ使うという習慣はもはや過去のものとなっているからです。
従って、貯金額は時間の経過とともに上昇の一途を辿ります。
また、まだまだ年功序列はそれなりに残っている日本では、基本的には給料は年を取るにつれて上がっていくものであるため、結婚したり子供ができたりといったように生活環境が大きく変わらない限り、収入が増えた分だけ貯金スピードも上がります。
さらに、十分な貯金が出来て生活防衛費が貯まれば、余剰資金を投資に回せます。
米国株式投資などの優良投資先では長期的に見ると資産が複利の力を借りてどんどん膨れ上がっていきます。
従って、定期的に積み立てる額は給料の上昇とともに増えていき、積立金は時間とともに指数的に増えていくため、どんどん資産は膨れ上がっていきます。
この結果、最初はゼロであった貯金を気合と根性で100万円にすることが出来れば、数十年後には富裕層の仲間入りも無理ではないのです。
まとめ
倹約貯蓄で資産を作り、それを投資に回すことで莫大な富を築いた明治の偉人である本多静六氏は、東大の先生になりたてで安月給であるにも関わらず10人以上の家族を養っていた際に、子供がひもじい思いをして泣き叫ぶ中、貧乏はよりストイックに節制することでこちらからやっつけろと言い、「四分の一天引き貯金法」を提唱しました。
また、世界一の富豪、投資の神様と呼ばれるウォーレンバフェットは、80兆円にも及ぶ個人資産を持ちながら、数十年前に300万円で購入したボロイ家に未だに住み続け、使い古したボロい車に乗り、つつましい生活を送っております。
これは極端な例ですが、アメリカの沢山の富裕層を調査したトマス・スタンリー氏の名著『となりの億万長者』によると、富裕層の多くは普通の年収の人たちであり、彼らの特徴は倹約家であることを示しました。
今貯金ゼロであっても100万円貯金から始めることにより、ウォーレン・バフェットになるのは無理でも、1億円以上の資産を持つ「となりの億万長者」にはなれるかもしれないですし、今は想像が出来なくても平均貯蓄額の1000万円程度を貯めることは可能でしょう。
本ブログが資産形成のきっかけに少しでも貢献できれば幸いです。
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