株式投資にて最も人気な手法として、高配当株式投資があります。
高配当株式投資は、配当という不労所得を得ることが出来るため成果が見える化しやすいというメリットがあります。
また、米国には50年以上に渡って減配していない会社もゴロゴロありますから、そのような会社に投資すれば景気後退期であっても配当金が減るというリスクを避けることができます。
しかし、高配当銘柄で減配期間が長期にわたるものは少ないため、減配リスクを負いながら投資を行う必要があります。ただし、うまく投資を行えば税引き後年利4%レベルで推移することも可能であり、減配も回避できれば比較的小資金で定常的に大きなキャッシュインを得ることが出来ます。
一方で、本ブログで度々紹介しているインデックス投資があります。
インデックス投資は、10年単位で長期投資を行うことを前提にすれば最も簡単に手間無く資産形成が図れる投資と言えますが、株式市場の乱高下が激しいため短期で見ると大きく資産が減少することがあります。従って、アーリーリタイア後にインデックス銘柄を切り崩しながら生活する場合には、下記記事で示したように1億円ほどの資産がある方が安全です。
しかし、一億円を築き上げるのは中々大変であるというデメリットがあります。
ではどちらがいいかというと、上記のデメリットがあっても私はインデックス投資を選択します。
理由は、インデックス投資は弱者のためのゲームであるのに対し、高配当株式投資は強者のためのゲームであると考えるからです。
高配当株式投資が強者のゲームである理由
銘柄選定能力が必要
一つ目の理由はこれです。
無数にある銘柄の中から優良銘柄を見出さなければなりません。
そのためには、企業の財務状況はもとより、PERなどの株価分析や必要であればRSIなどのテクニカル分析、果ては世界情勢による当該企業のビジネス分野の今後の優位性まで、考えるべき項目は膨大にあります。
単純に利回りだけでスクリーニングしていたら、経営的理由から株価が暴落しているだけのごみ株をつかむ可能性がありますので、精査が必要となります。
これを行うには、膨大な時間と労力はもちろん、情報処理能力などの知能も要求されるため、忙しいサラリーマンには実行困難な要求レベルといえます。
常に情報調査を行い続けることが必要
さらに、上記の分析項目を日々チェックし、情報を追い続けなければなりません。
従って、常に投資銘柄への意識を頭の片隅に置いておかなければならず、アンテナも高めて能動的に情報収集を行う必要があります。
必然的に株価情報にも日々注意を払うこととなり、特に景気後退時や恐慌時には精神的ストレスが大きくなる可能性が高いです。
また、投資銘柄の不祥事などといった不可避の個別株リスクを受け入れる必要があります。
有事の際は機敏に動くことが必要
不祥事や新規ビジネスの失敗などによる投資銘柄の失墜が生じた場合には、可及的速やかに取るべき行動を判断し、必要ならば損切りを断行して他社に乗り換えなければなりません。
不祥事の株価下落は非常に速いため、一秒でも早く情報をキャッチし、即座に行動を起こすことがリスク回避には必要となります。
一般的なサラリーマンは本業に時間を拘束されているため、有事の際にも出遅れてしまうことでこのような事態を受け入れる必要があります。
不祥事は滅多にないことなので確率的には考慮する必要がないリスクと言えるかもしれませんが、あらゆる企業には短期で見たら浮き沈みがあり、新規ビジネスやM&Aの失敗も一般的事象と言えるため、個別株の暴落は無視できないリスクといえます。
つまり、リスクと労力が大きい
これらを一言でまとめると、リスクと必要な労力が大きいということになります。
リスクが大きいため、投資家は銘柄分析を行い、今後の値動きを占い、有事の際には機敏に動くという生き馬の目を抜くような行動も必要となります。
現在、高配当米国株投資が人気を博している理由は人気ブロガーたちのパフォーマンスの高さが原因だと思いますが、そうなった背景にはリーマンショック後10年ほど続いている右肩上がりの株式相場があると考えます。
従って、リセッションや恐慌が来た際には個別株では株価暴落や減配を免れない企業が少なからず出てきますから、泣く泣く損切りをする投資家も沢山出てくるでしょう。
そうなったときに、どこまで下がるかわからないという個別株リスクを避けて、下げ幅が多少なりともマイルド(平均値)に収束するインデックス投資の優位性が出てきます。
従って、高配当株式投資は、そもそも株式投資が好きな人や、記事ネタのために情報収集の手間を惜しまないブロガーや、銘柄調査や趣味であるような強者(玄人)向けであると言えます。
インデックス投資が弱者のゲームである理由
ほっとけばよく手間いらず
インデックス投資の優位性、それは極限レベルで手間いらずということです。
特に、長期投資を念頭に置いた米国株インデックス積立投資であれば、何も考えずに定期的に積み立てておけばそれでうまくいくことは歴史が証明しております。
期待利回りは、過去200年の歴史を見るとインフレ率を差し引いた実質リターンが5~7%と決して派手ではありませんが、長期間にわたってこの利率が積みあがれば強力な複利のチカラが働きます。
72の法則を適用すると、平均年利6%で推移すれば72/6=12年で投資した資産は2倍になります。24年なら4倍、36年なら8倍です。
我々の生きる人生100年時代では、現在20代や30代の方であれば40年以上の投資期間が確保できます。今1000万円を投資して40年後までほっとけば現在価格で8000万円以上にまで資産が膨らむ計算となります。
投資だけしてあとは放置しておけばこのような大きなリターンを得られるというのは、私のような弱者にはうってつけです。
リバランス時以外は基本的に売ることは無い
S&P500インデックスや全世界インデックスのみに投資するというわたしのような人間には関係ないですが、いわゆるインデックス投資家は、株式インデックスだけでなく債券インデックスも含めた決められた資産配分割合に基づくインデックスの分散投資(アセットアロケーション)を選好してます。
日々の値動きによりこの決められたアセットアロケーションから乖離が生じた際に、元の割合に戻すために売り買いを行うことをリバランスと言いますが、このようなリバランス以外では、インデックス長期投資家は売買を行う必要がありません。
投資で重要なのは、なるべく売買を行わない(取引手数料を取られない)ことです。
従って、年間一、二回程度のリバランスしか必要としないインデックス投資は、手間も手数料も圧倒的に少ないため、わたしのようなものぐさな人間にはありがたい投資手法です。
なお、15年以上投資する場合は債券よりも株の方がリターンが大きくリスクが小さいという歴史的事実があります。従って、今後数十年に渡って投資を行う予定である私は株式インデックスのみに投資をしております。
結局長期で見たら資産推移はアクティブ投資を上回る
では、投資パフォーマンスはどうなのでしょう。
結論から言うと、プロの運用するアクティブファンドの約8割に勝てます。
インデックスETFの生みの親であるバンガードの創業者ジョン・ボーグル氏の著作「インデックス投資は勝者のゲーム」によると、長期ではプロの運用するアクティブファンドの95%に勝てるとのことです。
つまり、圧倒的に少ない労力で大きな成果が得られる合理的手法がインデックス投資です。
大きな労力を掛けられない弱者のためのゲーム、それがインデックス投資なのです。
まとめ
流行りの投資手法である高配当株式投資は、多大な労力を避けてかつ能力の高い強者のための手法であるのに対し、インデックス投資は忙しいサラリーマンのように時間の取れない弱者にこそ有用な手法である理由を説明しました。
インデックス投資は長期積立投資が最適解となります。
インデックス投資により得られるリターンにご興味のある方は、以下の記事をご確認ください。
サラリーマンの社会的信用によるローンを利用した太陽光投資も交えたハイブリッド手法については、以下の記事をお読みください。
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