資産形成を行っている方の多くは、何らかの目的を持って行っていると思います。
子供を大学に行かせるための費用のためですとか、安定した老後の生活資金を用意したい等々、色々あるでしょう。
しかし、おそらく最も多い動機は、家賃収入や配当金などの不労所得により生活を営めるようになることで、労働階級から脱却したいからではないでしょうか。
多くの人は、経済的自由を手にした結果雇われの身で働かなくても良くなれば、働かない選択を取ると思います。
何故なら、サビ残当たり前のブラック企業が蔓延する日本社会では、労働による精神的・肉体的・時間的負担が大きいからですね。
しかし、世の中には経済的自由を獲得していても嬉しそうに働く富裕層たちがいます。彼らは、資産形成を行っていたとしても資産の最大化を目的としているだけであり、不労所得生活が目的ではありません。
彼らと労働に疲弊している多くの人たちとの違いは何なのでしょう?
それは、本多静六の言う『職業の道楽化』を果たしているかどうかです。
本記事では、『職業の道楽化』の多大なるメリットをご紹介します。
職業の道楽化とは?
職業の道楽化とは、前述の通り明治の偉人である本多静六氏が著書にて訴えた教えです。
嫌々仕事をやってもつまらないし、上達もしないし、成果も上がらないため評価もされず、その結果昇進や年収アップも図れません。
一方で、仕事が楽しくて趣味(道楽)と言えるまでになると、仕事がストレスどころか喜びを与えてくれる有意義な行為に変貌し、好きこそモノの上手なれの言葉の通りスキルはメキメキと成長し、成果もガンガン出せるようになり、周りからも評価され頼られる存在となり、結果として出世して給料も上がり、裁量が増加することで更に仕事が面白くなるという上昇(常勝)スパイラルに至ります。
こうなれば無敵モードと言ってもよいでしょう。「仕事=喜び」であるため辞める理由が無いですし、お金の入りもよくなるので貯金も勝手に増えていくでしょうし、経済的自由とかどうでもよくなりますね。
これが、本多静六氏の勧める「職業の道楽化」です。
このような状態になろうと思ってなることは可能なのでしょうか?
意識的に「職業の道楽化」に至る方法
結論から言うと、本多静六氏曰く、意識的に「職業の道楽化」に到達できるそうです。
そして、その方法はとても簡単です。
それは、仕事が面白いと思い込むこと!
はい、自己洗脳です。
なんだよ、、っとがっかりされた方もいるでしょうが、これには静六氏なりの理由があります。
つまらない仕事も面白いと思ってやってみると、意外と面白いと感じるようになる。何故なら、仕事の全プロセスがつまらない仕事というものは無く、どこかしらに面白さが潜んでいるからだとのことです。
仕事の中に潜む面白さを探すようになればしめたもので、面白さを見つける能力(感度)が向上していき、やがては本当に仕事が面白くなる。
従って、まずは仕事を面白いと思い込んでやってみることがお勧めされております。
実は、天才物理学者のリチャード・ファインマンも似たような内容を、不朽の名作『御冗談でしょうファインマンさん』の中で書かれております。ファインマンさんの場合は、つまらないアルバイトであっても時間を競ってみたり、より改善・合理化できる部分は無いかを考えながら行うと生産性もあがるし楽しめるとのこと。
人間の持つ自己洗脳能力の偉大さを強調する偉人は多いですね。
ちなみに、これは社会科学的にも根拠があります。
幸福学の権威であるショーン・エイカー氏は、TED講演の中で幸福になるために簡単に行える二つのメソッドを紹介しております。
一つは「瞑想」で、もう一つは「21日間毎日3つ感謝したことを書くこと」です
この、毎日感謝したことを書きだすことが何故幸福に繋がるかというと、感謝したことを探す時間を設けると、あらゆる事象に対する良い面(ポジティブな面)を探すクセがつくからです。
幸福になれるかどうかの大半を占める重要なファクターは、知能指数ではなくストレスをどう捉えるかだそうです。
ストレスを自分を成長させてくれる良いものとしてとらえる人は、幸福感を感じやすいし成功者になりやすいとのこと。
そのような思考の習慣をつけるための訓練が、この「毎日感謝したことを3つ書き出すこと」なのです。
何故3週間かというと、新しい行いが完全に習慣化されるのには20日間かかるという研究があるからですね(現在は60日という研究結果も出てきてますが)。
本多静六氏の説く「職業の道楽化」も発想としては同じですね。
「つまらない仕事の面白い面を探す訓練をせよ、そうすれば本当に仕事が面白く感じるようになるから」という内容は、現代科学にも裏打ちされた真理と言ってもよさそうですね。
ワーカホリックにお気をつけを!
とはいえ、完全仕事人間になっていわゆるワーカホリックになるのはおすすめできません。
脳科学研究によると、どんなに仕事が面白いと思っている人であっても、ストレスはやはりストレスであるそうです。つまり、長時間過酷労働は、知らぬうちに心を蝕み、気づいたときには青い鳥症候群のような抜け殻状態になる例も多いとのこと。
仕事は楽しんで行いつつ、プライベートな時間もしっかりと取り、公私を切り替えながら生活していきたいですね!
まとめ
本多静六流「職業の道楽化」の圧倒的なメリットと、そうなるための方法を根拠も含めて紹介しました。
こんなことを書いている私の労働観はというと、以下の記事に示したように絶望的なものです(^^;)
(そうじゃなければ45歳までに経済的自由を目指したり、資産形成ブログを書くようなことは無かったでしょう)
この労働観に至るまでにはそれなりに辛く苦い経験があったのですが、この労働観を少しでも良きものに変えるべく「職業の道楽化」に取り組んでいきたいものです。
本多静六シリーズ↓
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