投資を行う場合は、リスク資産と安全資産をわけるようにするというのが鉄則です。
リスク資産とは株や外国債券などのように、元本割れの可能性があるけれども期待リターンが高めな主力投資資産のことです。
一方、安全資産とは銀行の定期預金や国債などの元本が保証されている資産の保管先です。
安全資産として日本円をメガバンクなどの銀行に預けている人は多いと思いますが、これはあまり良い選択ではありません。
なぜなら、個人向け国債(変動10年)の方が銀行の定期預金よりも年利が高く、ペイオフを気にする必要もなく、安全性も高いからです。
個人向け国債(変動10年)とは
日本国債とは日本国が発行する国庫債券であり、個人も購入可能です。
国債とは国の借金であり、購入した個人は国債を通して国にお金を貸す代わりに、半年毎に利子が得られます。
個人向け国債(変動10年)であれば、その時の経済情勢に合わせて利子が半年毎に変動し、満期は10年となっておりますが、保有期間1年以降はいつでも一万円単位で一部または全額を解約できます。
日本国債は最低金利0.05%が保証されており、国が財政破綻しない限り元本割れのリスクが無いという極めて安定した投資先です。
個人向け国債(変動10年)のメリット
それでは変動10年の個人向け日本国債のメリットを見ていきましょう。
国家破産しない限り元本割れリスク無し
安全資産に求めることは、大きく分けて以下二つだと思います。
このうち、特にリスクの低さについては最強レベルであるのが日本国債です。
銀行預金の場合は、銀行が破綻した場合は1000万円までしか保証されないといういわゆるペイオフ制度がありますが、日本国債の場合はその心配が不要です。
日本が財政破綻するというリスクは勿論ありますが、その時には全ての銀行が破綻するでしょうし、そもそも日本円が価値を持たなくなるでしょうから、心配しても仕方がありません。
日本円が極端に円安に向かうことで価値が毀損されるというリスクもありますが、それは日本円で保有している限り同じことですし、日本円に限らずどの通貨にも当てはまることです。
むしろ、インフレリスクが低い分だけ資産の置き場としては国際的に見ても日本円は優秀な類でしょう。現に、金融危機が起こると金とともに買われるのが日本円ですからね。
二つ目の項目、年利が高いことですが、今のようなマイナス金利時代にはメガバンクなどの銀行に預けても0.001%程度の年利が殆どです。
定期預金であってもメガバンクは一律0.01%程度です。
一方、個人向け国債(変動10年)はというと、最低年利0.05%が保証されております。つまり、今のようなマイナス金利の状況では、一部のネットバンクを除いた多くの銀行の定期預金の利率よりも高い年利を得られるのです。
しかも、年利は半年ごとに時勢に応じて変動する為、金利が高くなるような情勢では変動型国債も同様に年利が高まります。
従って、定期預金などの固定金利の商品よりも、変動型国債の方が年利においても有利になる可能性が高いと考えられます。
安全性も盤石であり、かつそれなりの年利も見込める最強の安全資産保管先といえます。
購入後1年以降はいつでも解約可
個人向け国債(変動10年)は、その名前に「10年」とあることから、10年間は解約できないものだと思われがちだと思います。
事実、私もちゃんと調べてみるまではそのように誤解してました。。
しかし実際は、解約できない拘束期間はたったの1年間しかありません!
しかも、購入後1年以降であれば全額であれ部分的であれ、1万円単位で解約したい分だけ解約できます。
購入した金融機関に解約申請すると、4営業日後に返金されますので、銀行預金と流動性はさほど変わりません。
10年満期の契約なので途中解約時のペナルティはありますが、元本割れの可能性はゼロであり、非常に良心的です。
具体的には、過去2回分(一年分)の利息に対して、約80%の返金をするというものです。
つまり、解約金に対して過去2回分の利息が100円だとすると、80円を差し引いた20円が過去2回分の金利として元本にプラスした形で得られるということです。
長期間保有していた場合は、過去2回分(つまり一年前)以前の利子については100%受け取ることができます。
余程の大金を預けている億万長者以外であれば、気にするレベルのペナルティではありませんね。
ネットで1万円単位で毎月購入可
一昔前までは、個人向け国債は3ヶ月に一度しか販売されておらず、金融機関の窓口に赴かなければ購入できませんでした。
それが、情報ネットワークが高度に発展したおかげで、今や毎月ネット証券で購入可能となりました。
我らが楽天証券やSBI証券でもネットで購入可能です!
個人投資家にとっては、とても良い時代になりましたね。
しかも、国債は1万円単位で購入することが可能です。従って、株式などのように1単元が云十万円と高いために手に入れにくいというようなことがありません。
一万円札気分で国債を一口購入することが可能なのです。
上述の通り、解約もネットで申請すれば数日後には元金が現金で振り込まれますから、一昔前の利便性の悪さは完全に解消されたと言って良いでしょう。
個人向け国債(変動10年)のデメリット
そんな素敵な安全資産の保管先である変動10年国債ですが、一つだけデメリットがあります。
それは、固定金利の国債に比べると金利が低くなる可能性があるということです。
当たり前といえば当たり前ですが、同じタイミングで購入する場合、変動型の金利よりも固定型の金利の方が高いです。
具体的には、固定型の金利の約60%が変動型の金利となります。
ただし、現在のようなゼロ金利時代はそう長く続かないことが予想されますし、これ以上金利が下がる余地はないため、今後は上がっていく方向しかないという状況を鑑みるに、このデメリットはデメリットとは言えないレベルでしょう。
万が一現在の金利レベルが今後10年間続いた場合は、固定金利で契約した方が金利が40%程高かったということになります。それでも並の銀行預金と比べると遥かに高い金利となりますね。
まとめ
個人向け国債(変動10年)が最強の安全資産保管先である理由について述べました。
日本円の保管先としては、安全性も年利も最強クラスですね!
とはいえ、ネットバンクの普通預金では、楽天銀行のように0.1%の年利が見込めるものがありますから、1000万円以下の現金の保管先としては身近である高金利のネットバンクも良いと思います。
金利は非常に低いのにATM使用料や振込手数料はガンガン取ってくるような、まさにマイナス金利ビジネスであるメガバンクをメインの安全資産保管先として使うのは、非合理的と言えるでしょう。
大企業が行うことこそが正しい事だと多くの人が認識(錯覚)するような時代は、インターネットの発展により完全に終わりました。
虎の子である保有資産を適切に運用し、賢く利益を最大化していきましょう!
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