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【最低税率5%】日本株高配当戦略のメリットは節税が可能であること

分析

私は米国株式(S&P500)や先進国株式、全世界株式への長期インデックス投資が多くの人に勧められる最適な投資先であると考えております。

その理由は、長期投資であれば資産の最大化という観点から最大効率を誇る再現性の高い手法であると考えられますし、以下の記事に示したように200年以上の米国株の歴史がそれを示してくれているからです。

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しかし、条件次第では日本株も選択肢に入ってきます。その条件とは、将来配当金生活をしたいと考えており、かつ財務諸表が読み解けて個別株の分散投資が行える日本に在住する日本人です。

なぜそのような人に向いているかというと、日本で生活する人であれば節税制度を上手に使うことにより、配当金の税負担を最低5%にまで圧縮可能であるからです。

本記事では、その条件と手法をご紹介します。

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日本株による配当金の税負担を最低5%に抑える方法

日本株による配当金生活に向く人の条件

米国株式市場が好調である現在、これまで日本株投資により十分な資産を形成してきた方の中には、米国株式市場への鞍替えを検討している人もいらっしゃるかと思います。

或いは、既に個別株投資により十分な資産を形成済みであり、今後の配当金生活を目論んではいるがどこの市場に投資するのが最適であるか迷っている方もいると思います。

そんな、個別株投資実績がありリタイア生活が見込まれる方々には、日本での配当金生活を目指すならば増配実績が十分にある日本株が一つの解になると考えられます。

その理由は、冒頭で述べた通り日本株の配当金に対する税負担を最低5%に圧縮できるため、米国株の配当金に対する税負担28%に比べて遥かに高効率な運用が可能であるからです。

本来の配当金に掛かる税率は約20%ですが、以下の条件であれば本手法を用いることにより税負担を軽減することが出来ます。

日本株による税負担軽減条件
・課税所得金額が900万円以下
・日本在住の日本人

配当金に対する税負担を軽減する方法は以下です。

配当金に対する税負担軽減手法
①所得税では総合課税にて配当控除を適用
②住民税は分離申請により申告不要を選択して申告

所得税では総合課税にて配当控除を適用

株式による配当金は、税法上は申告分離課税とするか総合課税とするかを選ぶことができます。

申告分離課税とは、給与所得や事業所得と株式による収益を別々に計上して申請するものです。

一方、総合課税とは給与所得や事業所得と配当金とを合同させて、その課税所得に対する税金を計算する手法です。

注意点として、総合課税を選択できるのは配当金であり、株式の売買益に対しては適用できません。売買益は申告分離課税として区分されます。

サラリーマン投資家であれば、一般的には特定口座で運用し、配当金は源泉徴収により約20%の税率が課される代わりに確定申告が不要という運用手法を選択する人が多いでしょう。

しかし、配当金生活時にはこの方法は税制上得策ではありません。総合課税を選択して確定申告を行えば、最大10%の配当控除が適用されるためずっと少ない税負担で済むからです(所得によりますが)。

総合課税での所得税は以下のようになります。

課税所得金額累進税率配当控除実質税率
195万円以下5%10%0%
195万円~330万円
10%10%0%
330万円~695万円
20%10%10%
695万円~900万円
23%10%13%
900万円~1,000万円
33%10%23%
1,000万円~1,800万円
33%5%28%
1,800万円~4,000万円
40%5%35%
4,000万円超45%5%40%

分離申告を行った場合の所得税は15%(住民税は5%)となりますので、上表の一番右の実質税率の値が15%以下であれば、所得税にて総合課税を用いて確定申告をした方が税額が安くなります。

上表を見ると、給与所得等と配当金を合算して種々控除額を除算した後の課税所得が900万円以下の場合はお得になるということがわかります。配当金生活を目論む多くの人が当てはまる水準なのではないでしょうか?

より正確に述べると、累進課税制度は所得金額の全額が上表の該当税率となるわけではなく、195万円までは5%、195万円を超えた分は330万円までは10%、330万円を超えた分は695万円までは20%、というように段階的に上がっていきます。従って900万円以上でも有利である領域はありますが、ここでは簡単化のため細かい議論は置いておきます。

ちなみに、課税所得が330万円以下であれば、配当金にかかる所得税は0%となります!

Viva la “無税の人”!!
(後述の通り住民税で5%取られますが)

住民税は分離申請により申告不要を選択して申告

従来は、配当金を総合課税とすると課税所得が大きくなってしまうため住民税額が増え、その結果社会保険料の負担も大きくなってしまうため、総合課税を選ばない方が経済合理的でした。

しかし、近年は配当金に関して所得税のみで総合課税として計算し、住民税での計算には組み込まないということが可能となり、住民税額も社会保険料も増加させずに所得税分だけを減額することが可能となりました。

それが、「所得税と住民税の分離申請を行い、住民税は申告不要を選択する」というスキームです。

申告不要を選択するために申告するというのはなんだかよくわからないですが、税法とはそのような複雑怪奇な世界なのでしょう。

頭の良い人たちが頭の良い人たち(つまり自分たち)のために頭の良いスキームを残しつつ、それを知らない人たちから「キミは頭が悪いから”頭悪い税”をいただくね!あと、宝くじも愚者への税金だから買ってね!!」といった塩梅で制度を作っているのでしょうか?

真相はわかりませんが、このような「お宝への道」を活用させていただくと、この「住民税は分離申請で申告不要と選択する」という手法により配当金に掛かる住民税は源泉徴収税率5%となります。

以上から、日本株の配当に対しては、課税所得330万円以下であれば、所得税を総合課税、住民税を申告不要と選択することで、確定申告により税率5%まで圧縮可能であるということがわかりました。

日本株と米国株の配当戦略との比較

さて、日本株の配当戦略の税効率の高さはわかりましたが、米国株の連続増配性や高利回りに見られる生産性の高さおよびコーポレートガバナンスの素晴らしさと比較すると米国株も捨てがたいですね。

こういう時はあれこれ悩むよりも具体的な数字を用いて検討してみるとスッキリするので、日本株と米国株の配当金に対する税効率についてざっくりと比較していきます。

日本株で配当利回り3%のポートフォリオを7000万円で運用しているとします。このとき、給与所得等が無いと仮定すると、配当金の所得税を総合課税で、住民税を申告不要と選択することで税率を5%に抑えることが出来ます。7000万円の3%だと配当金は年間210万円であり、ここから税率5%を差し引くと手取り配当金は約200万円となります。

それでは、米国株で同額の7000万円を運用した場合に、手取り配当金が200万円となる配当利回りは何パーセントでしょうか?

答えは4%です!

米国株の配当は、まず米国で10%源泉徴収されたのちに、日本国内で約20%が課税されるので、トータルの税率は28%となります(外国税額控除制度もありますが個人差が大きいのでここでは考慮しません)。

日本株の税率が5%に対して米国株は28%なので差は23%と思いきや、そうはなりません。前述の通り、運用利回りかもしくは運用資産額を+32%増加させる必要があります。

つまり、日本株の配当戦略は米国株の配当戦略に比べて約4/3倍の効率であると言えます。

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まとめ

配当金生活を目的とした株式投資では、日本株による高配当運用が税制上一理も二理もあるということについて説明しました。

極端なケースとして、減配実績が今のところ無いJT株は昨今長期の下落が続いており、2019年9月に一時的に配当利回りが7%を超えておりました。(私は幸運にも200株購入できました)

もしもこの利回り7%のタイミングでJT株を3000万円購入することができた場合、配当金は210万円となり、上述の手法で税率5%まで圧縮すれば手取り配当金は約200万円となります!人によってはアーリーリタイアが見えてくる水準ですね。

無論、今後減配のリスクはありますが、この水準の手取り配当を手にするのはいくら米国株とてボロ株でない限り難しいでしょう。9%超えの配当利回りが必要だからです。

このぐらいのインパクトが日本株に対する税制優遇制度にはあるということですね。

しかし、実際はというと個別株リスクを回避するために十分な分散を効かせたポートフォリオを構築するべきなのですが、日本株の単元株は100株であるため一般的に多額の費用が必要です。

ただし、SBIネオモバイル証券であれば日本株を1株から購入でき、かつ月50万円の取引額までは手数料が実質ほぼ無料(20円)と良いこと尽くしです。

将来のアーリーリタイア時の配当金効率を見越して日本株ポートフォリオを少しずつ構築して行きたいという方には、SBIネオモバイル証券一択といっても良いと思います。

詳しくは以下の記事をご覧ください!

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税制には改正が付き物ですので、本手法が活用できなくなる可能性があります。正確を期して記載しているつもりですが、認識の間違いもあるかもしれませんので、確定申告の際は税理士や税務署にご確認の上、申告するようお願いいたします。

コメント

  1. 資本主義の豚 より:

    いつも思いますが理路整然としていて素晴らしいの一言です。
    他のブログと一線を画しますね。

    • spinor_1 より:

      資本主義の豚さん

      コメントありがとうございます。
      お褒めの言葉、心から嬉しいです!
      今後もお読みいただいた方のお役に立てるような記事を書けるように、マイペースで精進していきたいと思います。