サラリーマンや就活生でフリーランスに興味をもたれる方は多いと思います。
そして最近は、軽い気持ちで実行に移し失敗してしまう人も少なからずいるようです。
一方で、脱サラして(あるいは新卒で就職せずに)フリーランスとなり、成功している人も多くいるのは事実です。
成功者はよく涼しい顔で「行動力があれば何とかなる」といった発言をされていますが、実際は血の滲むような努力の賜物でしょう。
一見華やかで自由にみえるフリーランスも良いことばかりではないのです。
要するに、生半可な気持ちでは失敗することが目に見えているということです。
楽して儲かるという話はありませんからね。
今回は、フリーランスを目指す前に、本当に会社員であることがデメリットばかりなのかを考えていきます。
サラリーマンのメリット
前提条件として、一般的な大企業をベースに考えます。
景気に左右されにくい
サラリーマンのメリットの1つ目は「固定給」であることです。
これにより、景気に左右されにくくなります。
例えば、デフレとインフレを考えてみましょう。
デフレとは、景気が悪くなり、モノの価値が下がる(お金の価値上がる)状況です。
この状況において、会社員・フリーランスはどうなるでしょうか。
デフレ環境化の比較
【会社員の場合】
お金の価値が上がっている状況で、基本固定給のため、実質給料がアップします。
減給やリストラの可能性もありますが、労働組合の猛反発よりそう簡単にはできません。
減給の前に、ちょっとした福利厚生サービス(保養所や物品購入サービス)等、反発の小さいものから削られることでしょう。
ただし、業績に直結するボーナスは減少します。
したがい、トータルの所得は減少する可能性がありますが、月給は変わらないため生活に困ることはありません。
【フリーランスの場合】
何らかの契約があり、一定のお金が入ってくる場合はサラリーマンとそう変わりません。
しかし、業種によるかもしれませんが、仕事がなくなる可能性があります。
当然のことながら、企業が雇用を削減する場合、正社員以外から手を付けます。
また、ブログやyoutube一本で生計を立てている場合、突然収入が0円になるリスクも存在します。
デフレが進めば、企業は広告をカットする方向に動くため、直接的にアフィリエイトは冷え込み、アドセンス等については広告カットの連鎖により単価が大幅に減少することが予想されます。
一方、インフレとは、景気が良くなり、モノの価値が上がる(お金の価値が下がる)状況です。
インフレ環境化の比較
【会社員の場合】
給料が突然引き上げられることはありませんので、実質給料が下がります。
ただし、長期的にみればインフレ率に沿って給料が引き上げられると考えられます。
一方で、企業としては給料を引き上げるまでの間は、安い賃金で従業員を雇えることになりますので、お得ですね。
そのため、インフレにより働き先が傾くようなことはそうそうないでしょう。
【フリーランスの場合】
特段会社員と変わらないでしょう。
以上がサラリーマンが景気動向に左右されにくい理由です。
消費税増税等により、この先起こり得るデフレにも強いのが特徴ですね。
福利厚生の充実
2つ目のメリットは福利厚生の充実です。
福利厚生のうち、多くの会社で利用できるメリットとしては社宅・寮の貸与、あるいは住宅補助でしょう。
寮は5000円~2万円程度、社宅は概ね月々1万円~3万円程度で借りられるところが多いです。
これは、会社によるかもしれませんが、都内であろうと僻地であろうとそう変わるものではありません。
例えば、23区で家賃が最安である葛飾区の3LDK・4K・4DK・一戸建ての平均は12.94万円だそうです。
(出典:LIFULL HOME’S https://www.homes.co.jp/chintai/tokyo/23ku/city/price/)
したがって、都内に住む場合、家賃だけでも月10万円以上得する可能性があります。
また、強力な福利厚生としては、従業員持株会に加入できることが挙げられます。
従業員持株会に加入すると、自社株を買う際、奨励金として購入額の5~15%程度が上乗せされ、高配当が狙えます。
【関連リンク:株式会社の従業員持株会とは?おすすめな理由とリターン予測】
社会保険の充実
サラリーマンは社会保険も充実しています。
社会保険のうち、大きな差となるのは健康保険と雇用保険です。
まず、健康保険ですが、大企業社員の多くは「組合健保」に加入します。
一方で、フリーランスの場合、「国民健保」となります。
そして国民健保は、会社が保険料の一部を負担してくれる組合健保と比較して最大1.7倍程度保険料が高くなります。
出典:日経新聞(https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2100O_R20C10A7MM8000/)
加えて、月の医療費が高額になった際、国民健保では高額療養費制度により自己負担額は8万円程度となりますが、組合健保の場合はさらに「付加給付(一部負担還元金)」制度があるため、自己負担額はさらに少なくて済みます。
この場合、自己負担限度額は2万5千円程度まで抑えられるのが一般的のようですね。
次に、雇用保険です。
サラリーマンは通常加入しています。
雇用保険は、失業時に再就職の意思があれば一定の手当てを給付されるというものです。
具体的には、退職半年前の賃金を日割り計算し、その4~8割(条件により変化)程度を給付日数分貰えます。
給付日数は退職事由(会社都合or自己都合)、勤続年数、年齢等により90日~330日の間で変化します。
恐らく最も多いのは、勤続年数1~10年の自己都合退職で90日給付でしょうか。
この制度により、何らかの理由で突然収入がゼロになるようなことはありませんし、再出発するにも十分な時間が得られます。
フリーランスの場合雇用保険に入れないため、このような恩恵は一切受けられません。
社会的信用度が高い
やはり、文化的なところもありますがフリーランスに比べ、サラリーマンの方が社会的な信用度が高いです。
例えば、ローンを組みたいとき等、サラリーマンであればすんなり組むことができます。
収入が安定しているからです。
一方で、フリーランスの場合は、十分な収入があろうとも、お金を借りたりするのに苦労するようですね。
少しずれますが、結婚する場合等も相手方の両親に対してサラリーマンは安心感を与えやすいでしょう。
特に、名の知れた大企業であるほど。
どんなに時代は変われど、今まで築かれてきた常識と異なるものはすぐには受け入れられません。
役所手続きが不要
サラリーマンは、面倒な役所手続きを殆ど会社がやってくれます。
フリーランスの一大イベントである確定申告も不要です。
ただし、サラリーマンでも副業収入があったり、ふるさと納税で5自治体を超えて寄附した場合等は必要になります。
ノーリスクで挑戦可能
最も大きなメリットはノーリスクで挑戦可能ということでしょう。
サラリーマンという保険をかけつつ、副業等にいくらでも挑戦可能です。
(会社によってルールはあるかと思いますが)
失敗しても、サラリーマンに戻るだけです。
突然フリーランスになるよりも、サラリーマンのうちに副業を育てておくのが良いですね。
サラリーマンのデメリット
さて、サラリーマンにも当然デメリットがありますので、挙げていきます。
ブラック企業・上司の存在
今回、サラリーマンのモデルとして、一般的な大企業勤めを想定しました。
しかしながら、世の中にはブラック企業が多く存在します。
そして、優良企業であってもブラック上司に当たれば終了です。
いわゆる新卒ガチャですね。
こういった劣悪な環境に当たってしまった場合でも、すぐにサラリーマンを辞めるという選択は取らないことをおすすめします。
ブラック企業であれば転職しましょう。
優良企業でブラック上司に当たったなら、部署異動を願い出ましょう。
ダメなら転職しましょう。
最近は「働き方改革」により残業の削減や有休取得を推進している企業が多いので、そのうち居場所が見つかるはずです。
転職しつつ、副業を育てて経済的自由を手にしましょう。
転職はリクルートエージェントがおすすめです。
著者の身近な人もリクルートエージェントを利用して大企業に転職した実績があります。
土日休み
人によりますが、土日休みはデメリットとして挙げられます。
何処に行っても混雑してますし、疲れます。
平日休みであれば、娯楽も平日料金で安かったり、空いていたりとメリットが多いです。
まぁ、有休を取得すれば良いんですけどね。
誰でも実現可能な経済的自由までのプラン
ここまで、サラリーマンのメリット・デメリットを紹介してきました。
サラリーマンのメリットを最大限に生かすためには、「良い企業・良い上司」に出会う必要があります。
そのために、あなたが高校生であれば可能な限り良い大学に入り、優良企業を狙えるポジションを確立しましょう。
そして優良企業でも「新卒ガチャ」ではずれを引けば上司に疲弊させられます。
しかし、一般に優良企業と言われている会社に入れれば、その後の転職難易度もぐっと下がります。
最終的に経済的自由を手に入れるには、優良企業で働く傍ら副業と積立投資で資産を育てて行くのが「誰でも」実現可能なプランかと思います。
まとめ
以上、フリーランスになる前に確認したい会社員(サラリーマン)のメリットでした。
まとめると、
- 非凡な才能がなければまずは会社員になったほうが将来安定
- フリーになりたければ会社員から副業を育てるのがベスト
- 独立時にはデフレや保険料、賃貸含む生活費の増加も考慮すべき(ギリギリの経済的自由で独立しない)
- 最終形態は会社員をしつつ副業し、積立投資等で資産を築き早期退職
ということですね。
本メリットなんてどうでも良いと思ったのなら、フリーランスとなる覚悟が十分なのでしょう。
本記事はあくまで安定して自由な未来を創る位置付けというだけであり、失敗を恐れずに挑戦することを否定するものではありません。
大成功するかもしれませんし、失敗したところで「生活保護」等もある日本なら生き延びることはできます。
そして、本記事のサラリーマンのメリットをみて、少しでも「サラリーマンも良いな」と思った方はまだしばらくサラリーマンを続けるべきです。
恐らく、独立しても失敗しますから。
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