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【注意喚起】株式投資による複利効果は短期では期待できず長期で作用するもの

投資哲学

当ブログ「理系の錬金術」では、米国株式市場の長期投資での優位性について度々主張しております。

そのパフォーマンスはすさまじく、配当再投資条件で過去200年に渡って約7%の実質トータルリターン(インフレ率調整後)を達成してきました。

この事実に間違いありませんが、注意しておかなければならないことがあります。

それは、過去長期間に渡ってハイパフォーマンスであったからといって今後もそうなるとは限らないということの他に、短期的には複利の投資資産シミュレーション通りに物事は事は進みませんということです。

このことがわかっていないと下落相場で狼狽売りしてしまう可能性が高まるので、注意喚起の意味も込めて説明します。

株式の偉大な複利効果は長期での作用を期待するべきもの

株式投資による複利のチカラは偉大です。

何故なら、株式投資の複利運用だと資産規模が掛け算で指数関数的に増加していくからです。

利回りにより増えた分の元本が更なるお金を運んできてくれるということを繰り返すからですね。雪だるま式に大きくなっていく、まさに「スノーボール戦略」とはよく言ったものです。

複利のチカラを得るにはどうすればよいのでしょうか?複利のチカラが作用する市場への投資を行えばいいのですね。それは何かというと株式であり、以下の図にある通り米国株式市場が一つの解になります。

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出典:AAII Journal

図は対数軸であり、Stocks(米国株式市場全体のリターン)が200年に渡って赤い直線に沿って波打ちながら推移している様子がわかります。このグラフは片対数グラフと呼ばれるもので、縦軸が対数軸となっておりますので、1メモリで10倍になります。

赤い線が対数グラフ上で直線になっているということは、この線は指数関数的に倍々ゲームで増加していく線であることあわかります。

従って、この線にまとわりついている青線の米国株式市場のリターンは、複利的に増大してきたことが示されております。しかも、その利回りは年間6.7%です。恐ろしいほどに圧倒的なパフォーマンスです。

このことから私は運用資産の大部分をS&P500(米国株式市場インデックス)に連動するファンドにぶっこんでおります。そして、この期待利回りを毎年得られると仮定した場合のシミュレーションを度々紹介してきました。

しかし、複利のチカラは短期では期待できません。なぜなら、株式市場はリターンに対するリスク(標準偏差)、つまり値動き幅が大きすぎるからです。

実際に、配当再投資条件での米国株式市場の実質トータルリターンは前述の通りリターンが約7%でしたが、対してリスクは約20%です。

実際にS&P500の過去53年間のパフォーマンスを調べてみると、年間リターンは下図の通り±20%を超えるケースが大半です。

出典:理系の錬金術, – 4%ルール検証 –

このような条件では、長期的には前の対数グラフのように複利の直線に収斂するのですが、短期的には運ゲーとなります。

これがわかっていないと、いざ投資を始めてみても下落相場が来たら「シミュレーションと全然違う!」となって狼狽売りしてしまうリスクが高まります。

しかし、例の対数グラフの真意を理解していれば、数年レベルの変動は気に留める必要が無く、リセッション時こそが仕込み時であることがわかるため、複利運用の最大リスクである狼狽売りは回避できますし、むしろ底値付近でガッツリ仕込めるようになります。

複利のグラフは、少なくとも10年後、目安としては20年後にこうなっているだろうというものであり、目の前の数年を占うものではありません(国債のように利息が決められているものは短期でも当てはまりますが)。

株式投資による複利の効果を甘受する簡単な手法:連続増配高配当株投資

暴れ馬のように乱高下を繰り返す株式ですが、投資手法によっては複利の効果をほぼシミュレーション通りに得る手法があります。これが、連続増配高配当株投資です。

日本だと連続増配株は最長で30年間の花王であり、20年越えの銘柄は極わずかです。しかし、米国株式であれば増配が50年越えの銘柄がゴロゴロあります。

このような長期間に渡る連続増配記録があり、かつなるべく高配当である株式に多数分散させることにより、ほぼ間違いなく年々貰える配当金を増やしていくことができます。

これにより、下落相場でも増加する配当金を見ることで落ち着くことができますし、バーゲン価格の株価を配当金で買い増すことができます。これが上昇相場のアクセルになるのは上の対数グラフを見ればわかりますね。

あくまで配当金の複利増加であり資産規模がそうなるわけではありませんが、長期株式投資で最も重要となる株式市場という暴れ馬から振り落とされないための一つの賢い手法だと思います。

私は資産規模の増加の最大効率を求めており、かつ普段から確率・統計論を重視しているため、統計学と理詰めによりS&P500インデックスファンドへ大半を投資しておりますが、これはあくまで資産形成期の前半であるからであり、セミリタイアが見えてきたらそれなりの割合を連続増配高配当株に振り分ける可能性も十分あります。

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まとめ

この対数グラフは、間違いなくこの世の中で最も重要な情報を秘めた図の一つです。義務教育で教えるべき内容でしょう。

そして、複利の効果は偉大であることが、過去212年で93万倍となっているStocksの推移から示されております。過去が未来を保証すると仮定すれば、このウェーブに乗るのが最適解です(実際は保証できないのでそれなりの覚悟が必要ではありますが)。

しかし、このリターンは短期では成立しません。従って、複利のシミュレーション通りに資産が推移すると思ったら大間違いであり、ここを勘違いしていると何かの拍子に暴落が来たら狼狽してしまいますし、場合によっては狼狽売りを断行してしまうでしょう。

株式投資による複利のチカラは偉大ですが、その蜜は簡単には甘受することができないようになっております。その理由に関して、私なりの仮説はありますが、ここでは触れないでおきましょう。(ヒント:うなるほどの莫大な富があれば不景気は作れる!?

この世界で最も重要な図の一つである通称「宝の地図」(勝手に命名)に関するより詳しい解説は、以下の記事をお読みください。

 

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