生活防衛資金計算ツールの紹介と使い方|理系の錬金術式シミュレータⅠ

マネーリテラシー講座

先日、以下の記事をリリースしました。
生活防衛資金の必要額について、1つの解を示せたかと思います。

生活防衛資金の考え方と計算方法 ~失業・病気やケガ時の無収入状態を想定したリスクマネジメント~
生活を営む上で、最低限準備しておくべき円預金のことを生活防衛資金(生活防衛金)といいます。 投資にあたっては、必ずこの生活防衛金を確保しておく必要があります。 しかしながら、生活防衛資金の考え方は専門家間でも様々で、生活費の3ヶ月分...

しかしながら、計算が面倒という難点がありますので、簡単な計算ツールを作成してみました。

生活防衛金計算ツールはコチラ

注:現状モバイルフレンドリーではないのでスマホアクセスの方は使いにくいかもしれません。今後対応予定です。

本記事では、生活防衛金計算ツールの使い方を解説します。

事前準備

まず、給与明細を用意しましょう。
無くても問題ありませんが、最も正確かつ簡単に社会保険料や住民税等の入力事項がわかります。

次に、当ブログの生活防衛資金に関するスタンスと計算方法を、以下の記事にて確認ください。
原則として、以下記事で検討した計算式を基に生活防衛金を算出しています(仕様書ともいえます)。

生活防衛資金の考え方と計算方法 ~失業・病気やケガ時の無収入状態を想定したリスクマネジメント~
生活を営む上で、最低限準備しておくべき円預金のことを生活防衛資金(生活防衛金)といいます。 投資にあたっては、必ずこの生活防衛金を確保しておく必要があります。 しかしながら、生活防衛資金の考え方は専門家間でも様々で、生活費の3ヶ月分...

生活防衛金計算ツールの使い方

それでは、早速ツールを使って簡単に生活防衛金を計算しましょう。

まずは生活防衛金計算ツールを開いてください。

基本的には、空欄になっている必要事項を入力して「計算開始」を押すだけです。

各々の空欄の内容を簡単に説明します。
お金の入力は[万円]、期間の入力は[月]となります。

月々の生活費

毎月の生活費(概ねの平均)を入力します。

結婚や子供ができたときの未来を見据えたい場合、統計局のデータを参考にすると良いでしょう。

例えば、4人世帯(有業者1人)、年収400~450万円の場合、月々の消費支出(生活費)は23万円程度です。

再就職までの期間

次に、失業後に再就職するまでの想定期間を設定します。

イメージがわかない方が多いと思いますが、「労働力調査」を用いた離職者の再就職行動に関する実証的研究が大変参考になります。

8ヵ月程度を想定すれば、44歳までの男性の8割が再就職に成功しているため、十分保守的な設定といえるでしょう。

標準報酬月額

標準報酬月額は、厳密には4~6月の3ヶ月間の給与支給額(通勤手当等含む)の平均額です(その年の9月~翌年の8月まで有効)。

ただし、1年間でそこまで給料が変わっていないというのであれば、至近の給与明細に記載の「支給総額」を入力しても大きな差は生じませんが、低い方が保守的ですので、精度を上げたい場合は正しい額を入力しましょう。

病気・ケガ等の療養期間

病気やケガ等の回復に必要な期間を入力します。

協会けんぽの資料を参考にすると、最も長い病気である精神疾患の場合で平均7,8ヵ月です。

自分は精神疾患にはならない!という確たる自信があれば多少削っても良いと思います。

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月々の健康保険料

給与明細に記載の健康保険料を記入しましょう。

給与明細が手元にない方は、以下記事を参考にしてください。

【お金の基礎講座】給与明細の控除欄(税金等)の意味と節税方法解説
月に1度、サラリーマンなら誰でも給与明細を目にしますよね。 その中で、「総支給額」と「手取り額」を細かく確認する一方、「控除」をしっかり確認しない方が多いようです。 私が勤めている会社でも、せいぜい「税金高いな~」くらいの感想しか持...

月々の年金保険料

給与明細に記載の年金保険料を記入しましょう。

給与明細が手元にない方は、以下記事を参考にしてください。

【お金の基礎講座】給与明細の控除欄(税金等)の意味と節税方法解説
月に1度、サラリーマンなら誰でも給与明細を目にしますよね。 その中で、「総支給額」と「手取り額」を細かく確認する一方、「控除」をしっかり確認しない方が多いようです。 私が勤めている会社でも、せいぜい「税金高いな~」くらいの感想しか持...

月々の住民税

給与明細に記載の住民税を記入しましょう。

給与明細が手元にない方は、以下記事を参考にしてください。
市町村民税と都道府県民税を足し合わせたものを入力します。

【お金の基礎講座】給与明細の控除欄(税金等)の意味と節税方法解説
月に1度、サラリーマンなら誰でも給与明細を目にしますよね。 その中で、「総支給額」と「手取り額」を細かく確認する一方、「控除」をしっかり確認しない方が多いようです。 私が勤めている会社でも、せいぜい「税金高いな~」くらいの感想しか持...

健康保険の種類

自身が加入している健康保険の種類を選択します。

ここでは、健康保険の場合、自己負担額の最大値を月3万円とし、医療費の最大支払い額を3万円×療養期間としています。
協会けんぽの自己負担額の最大値については、3ヵ月目までは月10万円、その後は多数該当として月4.44万円としています。

差額ベッド代

差額ベッド代を考慮するか設定します。

4人部屋を想定し、1日2500円としています。
一応、有無を設定できるようにはしていますが、差額ベッドを考慮することを推奨します。

理由は、差額ベッド代を考慮することで生じる保守性を他の項目の非保守性(療養時の家族の生活費)と打ち消しているためです。

月々の継続投資額

ここでは、積立NISAや確定拠出年金を継続する場合の金額を入力します。

もちろん、個別株の定期購入も継続したいのであれば、その額も加算します。

その他必要資金

最後に、上記に当てはまらないお金を入力します。

例えば、子供の学費、住宅ローン、奨学金の返済等々です。

なお、本項は「必要額の合計」であり、月額ではないことにご注意ください。

まとめ

以上、生活防衛金計算ツールの紹介でした。

自分の生活スタイルにあわせて適切な生活防衛金を準備し、安定した継続投資を実現しましょう。

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