【永遠の議題に決着を!】米国株と全世界株ではどちらに投資するのが賢明か?

マネーリテラシー講座

投資家の中で度々語られる、「米国株と全世界株とはどちらがよいのか」という永遠の議題…

どちらに投資するべきであるかは投資家の置かれた状況や価値観に依りますが、私なりの見解を示そうと思います。

結論は米国株ですが、その理由はビジネスの中心となるサイバー空間のプラットフォームを米国企業が事実上支配しているからです。

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米国株式と全世界株式の過去パフォーマンス比較

それでは、議論の材料として長期間のパフォーマンスを見てみましょう。

米国株式市場へのインデックス投資では、過去200年の歴史での実質リターンは平均で6.7%でした(税金・運用経費等未考慮)。

以下、本ブログではお馴染みのいつもの図です。

出典:AAII Journal

1802年に1ドルを投資した場合の、各アセットの配当再投資条件での実質リターンを表しております。青い線が株式のラインであり、年利6.7%の赤いライン上を200年間行ったり来たりしながら推移してきました。

200年ちょっと経った今、1ドルだったものがインフレ調整後で100万ドル程度まで膨らんでおります。つまり、200年の間ある程度一定のペースで増加し続けて、実質的な価値が100万倍にまで膨らんだということですね。

控えめに言って強すぎます。

上記の内容は米国株式市場の過去200年の歴史でしたが、クレディ・スイスが2018年に公開した以下の資料を参考に米国と全世界との同一期間(1900-2017)での比較をしていきます。

Credit Suisse Global Investment Returns Yearbook 2018

以下の図は、1900年から2017年の間の米国での各アセットにおける実質トータルリターン(左)とリスクプレミアム(右)です。

 

出典:Credit Suisse Global Investment Returns Yearbook 2018

ここで注目すべきは左図(実質トータルリターン)の右の棒グラフの青棒です。

これは、1900年から2017年にかけての米国株式市場の配当再投資条件における実質リターンを表しており、過去200年の場合と同程度の6.5%となっております。

それでは、全世界株式の平均リターンはどうなっているでしょうか。

以下、全世界に対する同様の図です。

出典:Credit Suisse Global Investment Returns Yearbook 2018

左図の右側の棒グラフの青に注目すると、全世界での株式市場の実質リターンは5.2%となっております。

つまり、6.5%である米国株よりも1.3%ほど全世界株がショートしている結果となりました。
また、1900年以降はいずれの期間であっても米国株がオーバーパフォームしていたことが見て取れます。

ちなみに、このクレディ・スイスの資料のChapter 5を見ると、主要国の中でもこの期間で最も優秀なパフォーマンスを誇ったのが米国であることがわかります。

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米国凋落リスクはあるのか?ビジネスの主戦場「サイバー空間」を支配しているのは米国

さて、近代においては圧倒的なパフォーマンスを誇ってきた米国ですが、今後数十年の間に凋落するリスクはあるのでしょうか?

結論から言うと、もちろんあります。しかし、1900年時点では最大規模であった大英帝国が凋落し、30年前に一世を風靡した日本が没落した条件とは、現在の米国の状況は全く違うと筆者は考えます。

その理由は、2000年以降に世界中を巻き込んでパラダイムシフトを生じさせたインターネットやITサービスのイノベーションを起こし続けてるのがシリコンバレーであるからです。

インターネットとITの特徴はそのスケーリング力にあります。

ソフトウェアさえあれば、一旦自国仕様にサービスを作ってしまえばそれを他国にも簡単に適用できます。これにより、世界中のあらゆる人々が米国産のインターネット・ITサービスを利用しているため、世界中からお金がチャリンチャリン舞い込んでくる仕組み化が完備されているのです。

例えば、日本人である我々は、米国産のGoogle検索を用いてインターネット上で情報収集を行ったりYoutubeで娯楽動画を見たり、米国産のAmazonでお買いものをしたり、米国産のFacebookで友人たちとインターネット上でやりとりを行ったりしてます。

更に、インターネット上でのやりとりはApple製のiPhoneやMacBookを用いてスターバックスでアメリカンコーヒー(?)を飲みながら行ったりもしてます。

Androidスマホをお持ちの方は、Google製のAndroidを通してスマホを利用しますし、Mac以外のPCをお持ちの殆どの方はWindows PCを用いて作業を行います。Windowsは米国企業、Microsoftの製品ですね。仕事に使うWordやExcel、PowerPointも言わずと知れたMicrosoft製品です。

休日には家族でAmazonのプライムビデオやNetflixの映画を見て楽しいひと時を過ごしたりします。

これは、日本に限らず世界中で行われていることです。

つまり、インターネット上の活動の多くを米国資本の企業によるサービスを通じて行っているため、放っておいても米国にお金が流れる仕組みが全世界に実装されていると言えます。

あとは、時間の経過と共にその支配力はグングン強くなっていきます。強者総取りの様相を呈しているためGAFAを中心に独占禁止法に問われたりしてますね。

米国の強みはITだけではありません。

我々は、のどが乾いたらコーラやペプシを飲み、休日にはマクドナルドで家族とお昼を食べ、お会計にはVISAカードやマスターカード、ネット決済ではペイパルを使い、乳幼児にはパンパースのおむつを履かせます。これらは全て米国の企業の商品・サービスです。

このように、実体経済にもサイバー空間にも米国のグローバル化は浸透しております。
これが、私が今後も米国が盤石であると考える理由の一つです。

ちなみに、世界全体の市場における各国のシェアの推移は以下のようになっております。

出典:Credit Suisse Global Investment Returns Yearbook 2018

現在の米国の支配率は50%程度ですね。近年有意に伸びてきている国は中国ぐらいしかないので、米中貿易戦争で中国を叩いておけば、この先暫くは米国を脅かす国は出てこないでしょう。

尤も、資本主義社会が崩壊しなければの話ですが。

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まとめ

米国株と全世界株とどちらに投資するのが賢明であるかについて、個人的な見解を示しました。

個人が置かれた状況や価値観にもよりますが、私の回答は「米国」です。

ここには記載しませんでしたが、米国は人口動態統計的にもこの先30年に渡って人口が伸び続けるという推定結果になってますし、コーポレートガバナンスが徹底されており仕事の生産性が高いため、企業の平均的な営業利益率も日本の2倍ぐらい高いです。

その上で投資家への利益還元性という意識も浸透しております。

一方で、米国凋落のリスクもゼロではありません。

このリスクを受け入れられない方は、全世界株式に投資しておけばOKですね!過去の実績では年平均リターンが1%ちょっと米国株に及びませんが、安定性という観点からは全世界の方が高いです。

リスクをあまり取りたくない方やご高齢の方であれば、全世界や先進国株式(MSCIコクサイ)に投資するのも一案でしょう。

でもね、結局は汎用型AIを一番最初に作った国(企業)が全てを支配するんだと思うよ!

以下、本ブログのまとめページです。読んでいただけると幸いです!

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