誰もが皆ポジションを取っている事実について

各種考察

人は皆あまねくポジションを取っております。

何のポジションかというとあらゆることに対してなのですが、本ブログは投資ブログですのでその分野からいくと、資産配分すなわちポートフォリオです。

いや、資産運用をしている人なんて少数派じゃん?と思ったら大間違いで、少しでも貯金がある人であればその資産をどのようなアセットで保有するかという意味で、意識的にせよ無意識的にせよ誰もが選択をしているのです。

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日本人の大多数はほぼ確実に損をするポートフォリオを組んでいる

それでは、日本人の大部分を占める投資をしていない人はどのようなポートフォリオを組んでいるでしょうか?

それは、日本円と不動産です。

不動産と言っても自宅用であり多額の借金を抱えている人が多いですが、これを置いておくと日本円建ての預貯金がほぼ100%となります。

長いことデフレが続いた日本においては預貯金も一つの手段ではあったのですが、預金の金利が0.1%以下であり、かつ現在は政府がインフレ政策を打ち出しています。

インフレ政策というのは、毎年少しずつ法定通貨の価値を減価させていく政策です。これは、過去のお金と借金の価値をどんどん希釈していくことを意味します。

そのような状況下で、日本円のみを保有しているというのは、過去の労力と努力(そして時間)の結晶である資産を少しずつ捨てている行為に等しいです。

お金はお金を生むとはよく言われることですが、円建て預金のみという超絶偏ったポートフォリオはお金がお金を腐らせるだけです。

大恐慌が来た際には相対的に価値が増加しますが、それも一時的なものですし、他の現物資産でも代替が効きます。金融工学が示す分散というフリーランチから最も距離を置く行為が預貯金一辺倒なのです。投資はめんどくさいというのであれば、資産の10%程度を現金で保有しつつ、残りはバランスファンドとかにぶっこんどけば、資産は時間と共に増えていくものです。減るのは唯一「現金」の価値のみであることが、以下のいつもの図(久しぶりですが)を見ると一目瞭然ですね。

出典:AAII Journal

現金はゴミと言われるのもよくわかりますね(笑)
(この図について詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。)

【宝の地図】株式投資の本質が詰め込まれた最重要な一枚の図【株式投資の優位性】
株式投資に興味を持ったり投資を開始したきっかけは何でしょうか?株式投資を始める前にリスク資産への投資をしたことが無かった方であれば、それなりに強い動機と根拠がおありだったと思います。 私の場合は、そのきっかけは一枚の図でした。この図を...

メディアや教育を通じて投資=ギャンブルという先入観を埋め込み、このような「最悪の資産」に100%偏重したポートフォリオが当たり前であるだけでなく、更には30年以上に渡る大きな借金をして自宅を購入するというのは何だかもう国を挙げたハメコミスパイラル(国民総社畜化計画)にしか見えないのですが、これはもう草の根運動的に気づいた人が周りに少しずつ気づかせていくということでしか変わらないでしょう。

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インカムの手段は人的資本一辺倒

資産形成で欠かすことが出来ないものとして、収入の増加と安定化が挙げられます。

収入を安定的に増やす方法には、上で挙げた投資の他にも副業や様々な会社(またはプロジェクト)で働くことがありますが、サラリーマンであれば役員レベルでない限り複数の会社に勤めるというのは難しいです。

従って、副業が有力な候補となります。

副業解禁時代と言われて1年ちょっと経ちましたが、周りを見渡してみるとまだまだみんな会社一辺倒であることがわかります(副業していることを公言するのはリスクしかないですから周りから聞こえてこないだけかもしれませんが)。

副業があれば生活が安定するかというとそんなことは無いですが、ストック型の副業であればメンテナンスは必要ですが、やった分だけの定常的な利益が得られます。副業をやってもうまくいかないことは多々ありますが、私としては一つの会社に依存して人生を丸投げすることこそリスクしかないと思います。これは、日本円のみを所有していることと同じようなものです。

副業や資産運用などというめんどくさいことをせずに定年まで働いて、定年後は年金におんぶにだっこというこれまでの「当たり前」は、何も考えなくて良いという点では楽です。

しかし、そこには数十年レベルの大きすぎる時間的損失があるかもしれません。数千万円規模の金銭的な損失があるかもしれません。何もしないことや無思考であることは、基本的には大きすぎるリスクをはらんでいることを認識する必要があります。

定年まで働かないと生きていけないという「当たり前」は作られた当たり前であり、今の時代であるから成り立っているだけであり、実は普遍的な当たり前ではありません。私はむしろ、健康寿命付近までひたすら働き続けるという生き方は、生命としては異常だと思います。

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まとめ

資産運用や投資に興味が無い人でも誰もが皆ポジションを取っております。それも、多くの人は期待値が低く、極端でいびつな円資産のみというポジションです。

また、現代ではインカムの手段も多様化しておりますが、まだまだ会社のみに依存しているという方が少なくありません。

これらの事実は、ある一つのモノに依存しすぎているという意味で大きなリスクを抱えていることを意味します。貯金一辺倒に関しては、円の通貨危機が生じたり定常的にインフレするシナリオをヘッジできていないですし、自分が勤める会社のみに収入の全てを依存している状態は、勤めている会社の経営が傾いたりつぶれたりするリスクをヘッジできておりません。

これはなにも、あり得ないような特殊な話をして重箱の隅をつついているのではありません。現に、戦後直後に日本は預金封鎖を行い多額の財産税を徴収しましたし、会社の栄枯盛衰は至る所で見てとれます。私も最初に勤めていた業界トップクラスの会社が没落する憂き目をみました(正確には没落する直前に転職しましたが)。

何事においても、意識的であれ無意識的であれ人はポジションを取っております。そのポジションを出来る限り正確に把握して、そのリスクを検討し、可能な限りヘッジするという行いが、豊かな未来を創る上では必要不可欠だと思います。

人生には不確実性がつきものですので、想定した通りの人生を歩めることはまれだとは思います。何らかのアクシデントが生じた際に柔軟に対応できるかどうかは、その準備をしているかどうか次第でしょう。

広く顕在化しているリスクだけでなく、見過ごされがちな潜在的なテールリスクこそ、最も警戒するべきリスクかもしれません。

とはいえ、考えすぎたりおびえすぎたりしても疲れるだけなので、打てる手は打ち、あとはリスクが現実化しないことを祈りつつ気楽に生きるぐらいで良いとは思いますけどね!

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