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会社員の給料は「労働の再生産コスト」に収斂するという残酷な事実と、それに打ち克つ方法

思索・哲学

サラリーマンの給料は何で決まるかご存知でしょうか?

その人の仕事の生産性でしょうか?それとも、会社の利益の増減に応じるでしょうか?

どちらも多少の影響はありますが、根本的な要因ではありません。
サラリーマンの給料、それは「労働の再生産コスト」を基準に決められているのです。

本記事では、「労働の再生産コスト」により給料が規定されている理由と、それに打ち克つ方法について説明します。

労働の再生産コストとは?

「給料は労働の再生産コストに収斂する」とは資本論を執筆した偉人、カール・マルクスの主張ですが、「労働の再生産コスト」とはどのような意味でしょうか?

簡単に言うと、労働力を維持するために必要な最低限のコストであり、つまりは労働者の生活費を指します。労働者がギリギリでも生活できれば労働を行い続けることができますので、それに掛かるコストということです。

実際の給与水準はというと、労働者が仕事を辞めてしまわない程度に文句が鬱積しないギリギリのラインとなるでしょう。特に、替えがいくらでも効くような単純労働やアルバイトであれば下限ラインに肉薄します。

経営者の立場になって考えてみるとわかりますが、合理的に考えると経営者は必要以上に給与を与えるということはありえず、労働の再生産コスト+αでライバル会社の水準に合わせておけば良いという判断をします。

ただし、生産性の高い優秀な社員には同僚の平均的な給与より少しだけ色を付けて給料を与えます。人は、近くの他人と比較しては一喜一憂する愚かな生き物なので、優秀な社員は圧倒的な成果を出していたとしても、この色が付いた程度の報酬で満足し、自己の生産性には見合わないほど低い給料でも良しとしてしまうのです。

なぜこのようなことを言いきれるのかというと、世の中のサラリーマンの給料の殆どが平均年収の2~3倍程度のレンジに収まっているからです。

何百という種類の仕事があり、同じ職種でも個々人で行っている業務は異なり、生産性も難易度も社会貢献度も個人個人で全く(桁違いに)異なり得るというのに、世の中の95%以上のサラリーマンの給料が1000万円以下であることが、このことの証左です。

なお、大企業の中には平均年収が1000万円を超えるような超一流企業もありますが、収益性が高いビジネスを行っており、かつライバル会社よりも優秀な社員を確保したいからそのような高給なのであって、超優秀な社員たちが働き方改革度外視に馬車馬の如く働いた(買い叩かれた)結果与えられる報酬なのです。

20代の頃、私もそれに近いような環境に居ましたが(31歳の先輩が850万円)、脳みその搾取されっぷりが尋常ではないようなアウトプット地獄でした。平日は生きていけるように常に身の回りの最適化を図りながら働くだけ、休日は仕事の行く先の不安に思考の一領域を常に占有されながら、文字通り休むだけ(横になるだけ)の日々でした。

私のケースはかなり極端なものだったと今になっては思いますし、私のメンタルが弱いだけだったかもしれませんが、高給取りはそれ相応の負荷とプレッシャーにさらされていることは間違いないでしょう。そして、例え高給を与えられていたとて、その負荷に対する報酬としては到底割に合わないものでしょう。

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交渉しなければ買い叩かれるのが取引の基本原理

何故、上述したようなことが当たり前のようにまかり通るのでしょうか?

それは、資本主義では資本家がヒエラルキーのトップに君臨しており、圧倒的な権力を持っているからです。

資本家とは要は株主です。株主は株式会社の所有者ですから、経営者は自社の株主を優先する必要があります。株主にそっぽを向かれて株を売られてしまえば株価が下がり、市場から資金を調達できずに資金繰りが困難になる可能性があるからです。株の売買というカードと株主還元というカードを用いて、株主と経営陣は絶えず株価というコミュニケーションツールを通じてディールを行っているのです。

一方、経営者(会社)と労働者の関係はどうでしょうか?同じ土俵で戦っているでしょうか?

(私も含めて)殆どの人はそうではないでしょう。労働者には辞める自由が名目上はありますが、実際仕事を辞めるのは困難な場合が多いでしょう。従って、会社側は「安月給でこき使って奴隷労働をさせても殆どの労働者は会社を辞めない」ということがわかりきっているのです。

従って、交渉力を持たない労働者は、取引の場に立つことすら許されないため、底値で買いたたかれるのが関の山です。ここでいう交渉力とは、単純に高いスキルというだけではありません。「辞めたければいつでも会社を辞められるけどお宅の待遇次第では残ってもいいよ」というぐらいの強いカードのことです。要は、辞めることも選択肢の一つにちゃんと入ってますよ、というスタンスです。これが無いと、交渉の場にすら立たせてもらえないのです。

労働の再生産コストから卒業する方法

それでは、そのようなカードを持つにはどうすればよいでしょうか?

それは、以下四つの行動が考えられます。

①スキルを身に着けること
②成果を量産して市場価値を高めること
③転職市場に出てみること
④資産形成

一つ目のスキルを身に着けることは、日々のたゆまぬ努力により可能となります。カメのような歩みであっても毎日ベクトルを上側に上げていく。この積み重ねがやがて圧倒的なスキルの差を生むのは周りを見てればわかることですね。長期積立投資と通じるものがあります。

二つ目は、仕事では成果に着目することです。多くの人が「時間」に捕らわれておりますが、仕事において真に着目すべきは成果だと考えます。何故なら、成果に着目することで成果を出すための能力が飛躍的に高まり、その成果は社外にも通用する付加価値を与えてくれるからです。

生活残業なんて言語道断です。その時間に成果を出すための自己研鑽をしていれば別ですが、仕事をだらだらやることに価値はありません。だらだらやる余裕があれば少しでも早く仕事を終わらせて副業をやったり、仕事外の人生を楽しんだりした方が遥かに実り多いでしょう。

外部にもアピールできるような成果を出すことに集中し、そのための行動を計画に落とし込み、軌道修正を図りながら成果を量産していく。その末に、会社とも対等にディールできるような付加価値という名の交渉力が得られるのでしょう。

三つ目は、転職する気が無くても実際に転職市場に飛び込んでみることです。転職市場は非常にシビアです。何故なら、新卒と違って転職では即戦力が求められるため、自分の市場価値は幾らだということが白日の下にさらされるからです。

これは荒療治なので心身ともに健康な状態でのみおすすめしますが、転職市場に飛び込むことで、等身大の己の市場価値をがわかると同時にうまくいけば複数社からオファーが貰えます。また、転職活動はやればやるほどうまくなっていくため、より一層条件の良いオファーを狙えます。

条件の良い待遇が提示されたら実際に転職しても良いでしょうが、オファーはもらったものの良い待遇でないため転職しないという場合であっても、そのオファーは大きな価値を持ちます。何故なら、他社からオファーがあるということは会社にとっては脅威であるため、このオファーをジョーカーとして勤め先の会社との交渉が行えるからです。

他社からオファーを貰っているため、辞めようと思えばいつでも会社を辞められる。このことは、精神安定剤として大きく寄与するのみならず、転職をちらつかせることで給料アップが図れたり、会社から無理を要求されにくくなります。その結果、良い労働条件にて労働の再生産コストを超えることが可能でしょう。

最後の方法は、資産形成です。これは想像してみるとわかることですが、貯金ゼロでかつローンがある場合と金融資産が1億円ある場合だと、会社での言動に大きな差が生まれるのではないでしょうか?

ブラック企業が蔓延する理由の一つとして住宅ローンがあるということを以前記事にも書きましたが、多額の借金を背負っていては会社に無理難題を要求されてもNoとはなかなか言えません。しかし、一億円あれば、別に無理して働く必要もないし、我慢してやるほどのものでもないし、といった具合に心に余裕が生まれるはずです。(持ってないので予想ですが)

また、他社からオファーを得ているケースと同様に、会社との交渉でも威力を発揮します。

会社を辞めても生活に困らないからいつでも辞められるという状態にあるため、退職をチラつかせることができ、それをされれば会社はあなたを買い叩くことはできません。あなたが有能な人材であれば、無碍にすることもできないでしょう。

長年のたゆまぬ努力により築き上げた資産は、額面以上の価値があるのかもしれません。

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まとめ

この記事を書いたきっかけは、五年ほど前に見つけて以来思い出しては読んでいる以下の記事を久々に読んだことです。

仙石浩明の日記: お金と自由 〜 なぜ貯められないのか?

株式会社は慈善事業ではありません。従って、取引というルールの中では当然合理的な選択をしてきます。社員はファミリーだとか、やりがいだとか、成長のためだとか、色んな言葉で情に訴えてきますが、選択するのは経済合理的な手段であり、要は安値で労働力を買い叩くこと、場合によってはブラック労働を強いることです。

これを防ぐためには、労働者側が自分の労働力が取引対象であるという自覚を持ち、取引の手段のための交渉力を得るべく行動することだと思います。

以下、関連記事です。

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