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インデックス投資家が「損失回避の法則」を回避する方法

投資全般

インデックス投資がアクティブ投資に勝るという事実はよく知られていることであり、また世界中に分散を効かせたインデックス投資であれば、長期的には年間5%程度で資産が増えていくことが歴史的な史実です。

つまり、貯金する余裕がある方であれば、生活防衛費以外の資金をインデックス投資に充てるのが経済合理的な選択であると言えます。サラリーマンであれば、ネット証券で自動積立設定さえしておけば、あとは何も考えずにひたすら日々の生活をこなしながら自動でインデックス積立投資を敢行していけるという、手間の要らない簡単な手法です。

それにも関わらず、インデックス投資家であっても下落相場では市場に居続けることが困難であるようです。

何故、手間いらずで比較的安定的な成果を得られるインデックス投資であっても続けることが困難なのでしょうか?また、どのように考えれば、リセッションによる暴落相場が来てもインデックス投資を続けていくことができるのでしょうか?

その鍵は「損失回避の法則」が握っていると考えます。

インデックス投資家が下落相場で退場してしまう理由

個別株投資に比べて安定的な値動きをするインデックス投資であっても多くの人が退場してしまう理由、それは「年間利回り○%」という過去の平均値を言葉通りに妄信してしまうあまり、思わぬ暴落が来た際に「損失回避の法則」が発動してしまうためでしょう。

例えば、本ブログでは米国株式市場に連動するS&P500インデックスファンドを推奨しておりますが、米国株式市場は過去200年以上の間、配当(分配金)再投資条件での実質トータルリターンが幾何平均で6.7%であったということを度々強調しております。

これを言葉通りに受け取ると、毎年毎年インフレ率分を除算した実質価値が6.7%増えていくと錯覚します。インフレ率が3%なら、額面上リターンはドル建てで約10%です。しかし、多くの方はご存知の通り、そうは問屋が卸しません。

人間には、得をすることよりも損をすることの方が感情が大きく動くため、損しないことを重視する「損失回避の法則」が備わっております。行動経済学的に言うところのプロスペクト理論ですね。

さて、多くの銘柄に分散を効かせたインデックスファンドとて、大きな値動き(ボラティリティ)が存在します。そして、上述の損失回避の法則を当てはめるとわかるように、特にリセッション時などの暴落相場では上昇相場の数倍の速さで下落します。

ここで、「損失回避の法則」に打ち勝てなければ、損切りしてしまいます。「これ以上損するのは嫌だ」とか、「長い間積み上げてきた含み益が失われるのは辛い」だとか、「このまま下落し続けるんじゃないか」という恐怖の感情に支配されてしまうためですね。

損失回避の法則は、気が遠くなるほど永い生物の進化の過程で培われた根源的な感情によるものですから、これに抗うのは困難を極めます。しかし、理性のチカラを借りれば、損失回避の法則による損切りは十分避けられるものだと私は考えます。

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世界経済という海をインデックスファンドと共に揺蕩う

それでは、損失回避の法則を回避するにはどうすればよいでしょうか?

その解の一つは、インデックス投資の長期的なバイオリズムを理解することです。

特に株式インデックス投資では大きな価格変動幅があります。標準偏差(σ)を表す「リスク」は先進国株で約20%であり、これは1/3の確率で年間変動幅が20%を超えることを意味します。現に、リーマンショックでは円建てで50%以上の暴落が起こりました。

しかし、ここ30年間の日経平均のような稀有な事例はあれど、長期目線ではインデックス指数は一時的に暴落したとしてもやがて回復し、元の平均利回りの直線に回帰してきます。これを、「平均回帰の法則」と言います。

暴落は必ず起きます。その原因は、経済指標の冷え込みというファンダメンタルズに対する「損失回帰の法則」の発動による投資家心理だったり、機関投資家がその心理を利用して刈りに来ていたり、AIトレーダーがそれに乗じていたり、あるいはユダヤ金融資本によるゴニョゴニョだったりするかもしれません。

原因が何にせよ、暴落は必ず来ますが、それでもインデックスに紐づく企業群の社員たちは日々仕事を行うことで、企業に利益をもたらし続けます。そして、その利益の一部が株主に還元されます。この仕組みは暴落が来ても崩れません。

とすると、株価暴落とは、購入している株券、つまり会社の所有権の実質的価値が棄損するというわけでは必ずしもないでしょう。所有権の購入価格は減少しますが、それによるリターンは必ずしも減少するとは限らない、あるいは減少するとしても株価の下落幅ほどの減少を意味するわけではないからです。

そう考えると、暴落は会社の所有権をゲットするまたとないチャンスと言えます。リスクオフの風潮は株券を相対的に安く仕込めるということであり、それが株式インデックスであれば、その経済圏全体を安値で買える(自身のシェアを伸ばしやすい)ことを意味します。

そして、景気には縮小と拡大のバイオリズムがありますから、一時冷え込んでもやがて回復します。そうなると、市場から引き上げられていた資金も戻ってきます。その際に、不景気の間も懸命に利益を上げ資産を築き続けた会社の価値はその分だけ増加しているため、株価は以前に増して増大することが見込まれます。

30年前のPERが異常なほど高かった日本企業群のように、適正価格から大きく乖離した最大級のバブルが崩壊したのであれば別ですが、それでも適正価格自体は向上します。このことが、平均回帰の法則が成立している要因でしょう。

インデックス投資は、世界経済と共に生きる行為です。良き時も悪しき時も、インデックスと共に世界経済の海に揺蕩いながら、人間の欲望を源泉とした経済成長のおこぼれを授かる行為です。

「汝(なんじ)健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、S&P500を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」

はい、、誓います、、、

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まとめ

宗教感が増してきたのでそろそろやめます(笑)

世界経済の海を行くための羅針盤は「ピケティの不等式」であり、航海図は「平均回帰の法則」です。私の場合、乗り込む船はインデックスファンド号であり、その大部分はS&P500です。

理論武装という頑強な装備を身に着け、準備を整え、帆を上げて、幾多のリセッションが待ち受けるグランドラインに向けて出航しようではありませんか!

Have a Good Recession!!

※「休むも相場」という格言もあります。

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