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【ライフサイクル投資術実践編】株式エクスポージャーを低金利で1.5倍にする方法【理系の借金術】

投資全般

本記事では、ライフサイクル投資術実践編として、純粋な低レバレッジを低コストでかける手法を紹介します。純粋なレバレッジというのは、ブル三倍ETFのような日次リバランスではなく、購入株数を増やすという発想です。レバレッジを掛ける際の借金の利息は現在1.5%(変動金利)です。

また、本手法では仕組み上1.5倍以上のレバレッジはかけられないので、ライフサイクル投資術にて推奨されている安全なレバレッジ率である2倍よりもさらに安全に運用可能です。また、計算の詳細は省きますが、株式インデックス投資の場合では理論的にも1.5~2.0倍のレバレッジが最もリターンの中央値を底上げするという結果となります。あとは、個々人のリスク許容度の問題のみとなります。

ライフサイクル投資術についてご存知ない方は、詳しく紹介した以下の記事をお読みください。

【株式投資の結論】ライフサイクル投資術【レバレッジの是非】
2019年9月、おそろしい本が日本で出版されました。 その本の名は「ライフサイクル投資術」です。 著者は、私も愛読している「その数学が戦略を決める」や「ヤル気の科学」を執筆した重鎮イアン・エアーズ教授。氏が投資本を書いているとい...
本手法はリアルな借金をして資産運用する方法です。
もしも世界大恐慌級の暴落が来て、担保証券の価値が半分以下に棄損した場合、文字通り全資産を失う可能性があります。
採用するかどうかは個人の自由ですが、あくまでケーススタディとしてお楽しみください。
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野村信託の野村WEBローン(証券担保ローン)をレバレッジに利用

レバレッジをかけるにはお金を借り入れる必要がありますが、そこで登場するのが以下リンクの野村Webローンという証券担保ローンです。

【初回借入日から30日間お利息実質0円】証券担保ローン「野村Webローン」|野村信託銀行
資産運用を続けながら必要な資金を用意することができ、より効率的な資産形成をお手伝いします。

野村Webローンの特徴を以下に箇条書きで示します。

・証券担保ローンは、担保ローン対象証券を保有していれば2020年10月現在年率1.5%の金利(変動金利)で評価額の60%までお金を借りられる

・お金の使途は基本自由だが、野村證券内で証券購入に充てるのはNG(おそらくそれをまた担保にいれることによる過剰レバレッジを阻止するため)

・注意点!!

出典:野村Webローン|野村信託銀行

・担保対象証券は以下の通り国内上場株式や国内ETF、国内REITなどが主な対象であり、海外ETFや野村證券で取り扱いの無い銘柄は担保対象外

出典:野村Webローン|野村信託銀行

・担保対象証券一覧はこちら(pdf)

以上が野村Webローンの概要となります。詳細についてはHPを確認してください。

野村Webローンを用いたライフサイクル投資術の対象銘柄の検討

野村證券で取り扱いの無いeMAXIS Slimシリーズやたわらシリーズなどのノーロード低コストインデックスファンドはのきなみ担保不可です。

担保対象商品一覧をみるとわかるとおり、野村證券で取り扱っている投資信託はどれも○”ッ○○○の○”○商品ばかりであり、残念ながら低コストインデックスファンドを運用している人は野村證券に移管することが出来ません(闇を感じます)。

従って、時価の60%まで借りられる国内投資信託ではなく、時価50%までの国内上場投資信託(ETF)が候補となります。

そこで最有力候補となるのが、経費率が安いMAXISシリーズです。具体的な銘柄は、以下となるでしょう。

  • MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信
  • MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信←経費率ちょい高め
  • MAXIS米国株式(S&P500)上場投信

本当は自動的に配当再投資が行えるeMAXIS Slimシリーズが良いのですが、残念ながらそれは叶いませんので、配当再投資をする手間はかかりますが信託報酬が0.1%程度であるMAXISシリーズが妥協案となります。

なお、野村證券では、株式のネット売買には0.1%の手数料がかかります。これは、1000万円以上の大金であればバカにならない額ですが、私のようにeMAXIS Slimシリーズを利用している人は移管ができませんのでこれを売りMAXISシリーズを買うしかありません。

ではどうすれば良いかというと、500万円以上を運用している人であれば売買手数料無料のネット証券でMAXISシリーズを購入して野村証券に移管するのがベストです。何故なら、野村證券は時価500万円以上の証券の移管であれば、出庫元の証券会社の移管手数料を肩代わりしてくれるサービスがあるからです。

ということで、一旦ここまでの結論をまとめます。

理系の借金術

・現在大金を運用中の場合は、担保に回したい分だけ証券を売却(500万円以上)
・購入手数料が安いネット証券でMAXISシリーズを500万円以上購入
・野村證券に手数料無料で移管して、50%の担保ローンを得る
・得られたローンでネット証券にてeMAXIS Slimシリーズ等の低コストノーロードインデックスファンドを購入
・その後の積立は、野村証券にて手動でMAXISを購入し、追加購入分だけローンを引く
・得たローンをネット証券に送り、eMAXIS Slimなどを購入することを繰り返す
→低コストで1.5倍のレバレッジポートフォリオを構築(変動金利であるため金利推移の確認は必要)

本手法により、例えば1000万円を担保にいれたら500万円を年間7.5万円の金利で借りることができるので、1.5倍のエクスポージャーを得るための経費率として考えると0.75%という破格のコストとなります。

なお、実際はeMAXIS SlimよりもMAXISシリーズの方が配当再投資のコストがかかり、追加投資分の購入手数料も0.1%が余分にかかるので、トータルで考えると借入コストは2%程度、1.5倍エクスポージャーの経費率は1%程度となるでしょう。

S&P500のブル3倍ETFであるSPXLなどは、それ自体の運用経費が1%程度であり、さらに+二倍分の借入金の金利コストが評価額から引かれており、日次リバランスという暴落後の上昇速度が遅い特性を持ちますので、個人的には本手法の方が遥かに優れていると考えます。レバレッジ1.5倍というのも絶妙です。

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具体的なポートフォリオの紹介

株式150%のポートフォリオ例

本手法では証券という担保を用いたローンによりレバレッジをかけております。従って、担保が大きく棄損した場合には、ロスカットが発生する可能性があります。

野村Webローンのロスカットは、担保証券の時価がローン額の70%以下となるときなので、担保証券時価の50%分をローンとして借りるとすると、ローン契約時の時価から35%(=0.5×0.7)まで暴落するとき、つまり65%下落時に発生します。

リーマンショックでも米国株が円建てで最大ドローダウン60%ちょっとであったためギリギリセーフであり、ここ100年で65%以上のドローダウンは1929年の世界大恐慌でしか発生したことがないですが、なるべくリスクが小さく分散が効いた全世界株を担保に入れるのがベターと考えられます。(リーマンショック時は全世界株の方がS&P500よりも下落幅が大きかったですがあくまで一般論としての話です)

そこで、まずは野村証券で全世界株を1000万円保有し、得られたローン500万円でネット証券にて米国株を買うとします。全世界株のうち米国株の割合は約55%であるため、株式全1500万円のうち米国株は1050万円、米国外は450万円となります。これはつまり、米国:全世界(除く米国)=70:30となりますが、これは株式にて最もシャープレシオが高い接点ポートフォリオと最もリスクが小さくなる最小リスクとの間に位置する優れた配分であることがシーゲル教授の『株式投資』の図からわかります。

出典:ジェレミー・シーゲル『株式投資』

株式150%で行くのであれば、野村証券で比較的リスクの低い全世界株を持ち、ネット証券でS&P500を持つというのが一つの候補となるでしょう。

【安全策】株式:債券=80:20のポートフォリオ

資産形成期前半の人であれば、ライフサイクル投資術に倣うと株式100%が最適解となります。

とはいえ、リーマンショックを越える暴落がもし来たら強制ロスカットされてしまうため、これが怖いことは事実です。そこで、ロスカットの確率を限りなく低く押さえ、かつシャープレシオが高いポートフォリオを検討してみましたのでご紹介します。

結論としては、野村證券で全世界株を70%、長期債券を30%保有し、ネット証券で米国株を50%保有というポートフォリオとなります。

野村證券側は債券が3割含まれているため、最大ドローダウンも3割ほど緩和されます。つまり、リーマンショック級の暴落が来ても45%程度のドローダウンで耐えられます。

また、株式の保有は野村で全世界70%、ネット証券で米国50%であるため、株式エクスポージャーは120%にできます。

更に、全世界株のうち米国の割合は55%程度であるため、保有する株式120%のうち米国の割合が約74%、米国外の割合が約26%となります。これは、シーゲルの図の最小リスクポートフォリオに非常に近い値であり、株式のポートフォリオとしては安全性が最も高い配分です。

なお、野村證券とネット証券を合わせたポートフォリオ全体における米国株と米国外株、債券の比率は、米国株が約60%、米国外株が約20%、債券が約20%となります。

ここで、Portfolio1:米国株100%、Portfolio2:全世界株100%、Portfolio3:本ポートフォリオでの、過去約35年間のバックテスト結果を以下に示します。

出典:Portfolio Visualizer

本ポートフォリオは米国株単体のリターンには及ばないですが、なんと全世界株のリターンを凌駕しており(CAGR)、それでいてリスク(Stdev)は低い結果となりました。1%弱の金利を払うとはいえこれを1.5倍のスケールで安全に持てるのだから、優位性は十分にあると思います。

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まとめ

低コストで1.5倍のレバレッジを実現する手法について説明しました。

似たような記事をザッと探してみたところネットでは見当たらなかったので、本手法を『理系の借金術』と呼ぼうと思います。

蛇足とはなりますが、本手法は資産形成期初期のリスク許容度が高い時期に利用することを推奨します。うまくいかなかったとしても若ければまだ労働で取り戻せますし、そもそも本手法の核となるライフサイクル投資術は目的の株式エクスポージャーまでのみレバレッジを利用するというものです。

例えば目標の株式エクスポージャーが5000万円だとすると、エクスポージャーが5000万円に達するまではレバレッジをかけるべきですが、5000万円を超えたら運用益と追加投資資金を借金返済に充ててレバレッジ率を下げるのが本来の手法です。

本手法は長期的には十中八九機能すると考えておりますが(統計的にもそういう結論ですが)、たとえ結果的には機能していたとしても、途中の暴落相場などで損切りしてしまったら元も子もなくなります。

また、もしも1929年の世界大恐慌級の未曽有の大暴落が来た場合、追証が足りなければロスカットとなりえます。全財産を投じていたら、文字通り全てを失う可能性があります。

従って、本記事を読んで採用を前向きに考えている方も今一度立ち止まり、ご自身のリスク許容度を見据え、本手法のリスクを承知し、野村Webローンの説明を熟読し、投資は自己責任ということを心の底からご理解頂いた上で、ご検討くださるようお願い申し上げます。

手法でもポートフォリオでもいいので、もっと良い方法を見つけたかたは是非コメントください。

【株式投資の結論】ライフサイクル投資術【レバレッジの是非】
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